意欲と能力のある農業者のいっそうの経営発展を図るため、経営改善や地域農業の振興・活性化に優れた功績をあげた人を表彰しており、今年度は3部門合計36事例の受賞となった。
表彰式は10月31日に開く「第15回全国担い手サミットinあきた」の全体会で行われる。
◆集積は身近な農地から 積極的に機械も導入
【農水大臣賞】
<個人経営体部門>
熊本県玉名市、坂本正信氏(53)、真百合(52)氏。
積極的に農地集積を進め、その9割を自分のコメ乾燥施設から近い所に集めて、大型機械の導入や、雇用の確保などで作業の効率化を実現している。
水稲収穫と乾燥の作業受託も広げている。
条件不利地でも引き受け、夫婦ともに耕作放棄地防止に貢献。狭い水田は畦を除去して区画整理をしている。
水稲、麦、大豆で合計54haを経営。
<法人経営体部門>
香川県観音寺市、(株)中大(ちゅうおお)・代表取締役、大西規夫氏(41)
畜産と露地野菜の複合からレタス中心の露地野菜に転換。研修生受け入れの環境整備に向けて法人化した。
規模拡大では、ほ場を近距離に集中。またレタス包装機械の導入と併せ、作業員の熟練化と現場責任者の育成に取り組み、収益性を格段に向上させた。
産地売込みでもJAとバイヤーの商談に参加するなどしている。 ネギ、ブロッコリー、タマネギ、水稲で合計約31haを経営。
<集落営農部門>
秋田県大仙市、農事組合法人・中仙さくらファーム(農家19戸)
参加率86%で17年に設立。他集落から水稲と大豆の作業を受託して経営面積は当初の約44haから84haへと大幅に拡大した。
コメは県内の弁当店や首都圏のレストランにも販売している。
複合化として「リンドウ」を導入し、複数品種の組み合わせで長期出荷(6〜10月)を実現。
また「道の駅なかせん」では農家レストランを経営している。
水稲、大豆、リンドウ、野菜などで合計約84haを経営。
◆担い手育成支援の会長賞も
その他の受賞者は次の各氏(敬称略)。
<個人経営体部門>
○農水省経営局長賞
▽秋田県横手市・小川忠洋
▽三重県桑名市・丹羽一久
▽滋賀県長浜市・朝日正行
▽徳島県鳴門市・仲須清
▽佐賀県唐津市・橋本英樹
○全国担い手育成総合支援協議会長賞
▽栃木県宇都宮市・増渕典男
▽静岡県静岡市・山本佐敏
▽新潟県見附市・岩淵忠男
▽石川県小松市・前坂善治
▽京都市京丹後市・野村拓也
▽岡山県高梁市・川上治芳
▽香川県善通寺市・堤哲哉
▽愛媛県西条市・越智壽昭
▽大分県佐伯市・佐藤進一
<法人経営体部門>
○同局長賞
▽埼玉県吉川市・中井農産センター
▽千葉県いすみ市・増田ライスファーム
▽新潟県関川村・上野新農業センター
▽山口県山陽小野田市・グリーンハウス
▽長崎県島原市・田中農園
(5法人はすべて有限会社)
○同会長賞
▽秋田県大潟村・せりた
▽群馬県前橋市・鼻毛石機械利用組合
▽石川県川北町・わくわく手づくりファーム川北
▽福井県あわら市・シーネット坂井
▽大分県日出町・日出ポーク
(鼻毛石は農事組合法人。あとは有限会社)
<集落営農部門>
○同局長賞
▽富山県射水市・布目沢営農
▽福井県福井市・ハーネス河合
▽兵庫県たつの市・ささ営農
▽山口県岩国市・いきいきファーム美和
▽福岡県筑後市・つねもち
(ささ営農は株式会社。あとは農事組合法人)
○同会長賞
▽栃木県佐野市・MAGIファーム
▽石川県志賀町・直海釈迦堂営農組合
▽香川県善通寺市・天霧ファーム営農組合
▽大分県国東市・見地生産組合
(直海釈迦堂は有限会社。あとは農事組合法人)