N2Oは、CO2(二酸化炭素)の300倍の温室効果を持ち、オゾン層破壊の原因物質の一つだ。これの主な発生源は農耕地で、世界全体の6割に達する。特に大豆畑からの発生が多い。
今回、東北大学の研究チームは、大豆の根粒菌を調査し、N2Oを窒素ガス(N2)に還元する酵素を持つ根粒菌があることを発見。また、この菌がN2Oの発生を抑制する効果があることを突き止めた。
この、N2O還元酵素を強化した根粒菌を持つ大豆を育成したところ、ほ場でのN2O発生量が47%抑制されたという。
世界的にもN2Oの削減は大きな関心の的になっており、欧州でも研究がすすんでいるが、このような根粒菌などの微生物を利用した実験成果は初めてだという。
農業環境技術研究所では、この技術の実用化に向けて、今後も研究を続けていくとしている。