【萬歳JA全中会長】
総選挙をめぐる議論とともに混沌とした政局のなかでTPPが争点になっている。一部の閣僚が交渉参加を早急に表明すべきと発言し一刻も早く総理に参加表明させるよう環境整備をはかっている動きに大きな憤りを感じており、このような暴挙は絶対に認められない。
野田総理は臨時国会の所信表明でTPPと日中韓FTA、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)を同時並行的に推進すると述べた。これは昨年の発言よりも2歩も3歩も前に出た発言だと受け止めざるを得ず、交渉参加の判断を既成事実化しているように思えてならない。
総理は関係国からの情報収集は十分だと考えたのか。国民的議論も十分と考えたのか。むしろ十分な国民的な議論を経るとした国民との約束を反故にし、多くの国会議員の断固反対の声や大多数の地方議会の反対、慎重の決議を無視し国民が抱く疑問や疑念に何ら耳を貸さない極めて無責任、不誠実な態度と言わざるを得ない。
ましてや内閣支持率が2割前後の政権が将来にわたる国のありようを変える重大な決断を行うこととなど断じて許されないことだ。 解散が明日なされるという状況のなかで来る総選挙、さらには来年夏の参議院議員選挙においてはわれわれ生産者が将来の展望を持って営農に取り組めるよう各候補者や政党についてはTPP交渉参加反対を明確にした候補者や政党を推薦することで対応していく。
各候補者や政党の所見を十分分析し、地域の仲間と情報を共有しながら農業者の真の声を代弁する方々を一人でも多く国政の場に送り出す取り組みを強化しようではないか。
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あいさつする萬歳JA全中会長
(政党代表のあいさつや連帯のメッセージ等は16日に掲載します)