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【韓国特派員レポート[1]】韓国の米需給 緊急な状況   韓国農民新聞社・郭重燮

 日本と同様、小規模な家族経営を中心とし、耕地面積の多くが水稲である韓国農業の情勢を知ることは日本農業にとって重要である。
 本紙は11月19日、韓国農民新聞社の郭重燮氏を韓国名誉特派員に任命した。郭氏には今後、農業を中心に韓国の情勢を伝えていただく。
 今回は24年産米の情勢について現地から届いたレポートを全3回で紹介する。

今年の生産量は32年来最低の400万6千t
来年の需要量よりも9千t不足

 韓国の今年の米生産量は400万6000tと、最終集計された。来年度予想新穀需要量401万5000tには9000tが不足している量である。米の生産量が需要量を下回った年は冷害が全国を席巻した1980年以来、32年ぶりのことだ。政府糧政当局は在庫米があることを強調し、“均衡水準”という立場だが、需給不安を排除することができない状況である。
 統計庁は、今年の米生産量が玄米を白米に換算した比率である「玄白率」92.9%(9分搗米)を基準に400万6000tで確定されたと11月19日明らかにした。
 これは昨年の生産量422万4000tに比べて21万8000t(5.2%)、9月15日の作況調査をもとに予想した今年の生産予想量407万4000tに比べて6万8000t(1.7%)少ない量だ。米穀総合処理場(RPC)で実際に使用する「玄白率」90.4%(12分搗)を適用すると、生産量は389万8000tに減る。
 米の生産量が減少した主な理由は、稲の栽培面積が減ったうえに台風で収穫量まで急減したためだ。2009年92万4000haだった稲の栽培面積は2010年から政府のコメ減産政策が施行され、今年84万9000haに減少した。今年8月の第15号台風ボラベン(BOLAVEN)、第14号台風デンビン(TEMBIN)のような自然災害が頻発し、今年10a(約300坪)当たりの収穫量は473kgで、昨年の496kgより23kg、 2009年の534kgに比べては61kgも減った。

[2]に続く

【略歴】
韓国農民新聞社・郭重燮1958年韓国・居昌郡生まれ。高校卒業後取材記者。83年3月国民大学校英語英文学科に入学、卒業後(社)大韓出版文化協会、88年9月韓国農協の関係会社である(社)農民新聞社に入社。現在、広告局広告部長。2004年10月に家の光協会の招請で日本を訪問(韓国農民新聞社との定例交流)、以後日本語に関心を持ち日本語を勉強している。

(2012.12.20)