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「TPPへの参加は議論不足」 郡司農相が退任会見

 野田内閣の総辞職後、郡司彰農相は12月26日午前、農水省内で退任会見を行った。

 郡司農相は「(政権交代後)初めに副大臣になって、間に(党農林水産部門会議の)座長も含めた3年3か月でいえば、農政の傘のなかからはみ出している人たちがかなり減ってきたのは事実だと思っている。ここ(農水省)で決めて、ここでやろうとしていることがすべての生産者その他に関係するようなかたちに歩み出したということは、私はいちばん変わったことだと思う」と振り返った。  ただ、農相としての任期は206日と、約7カ月だった。
「解散がいつかということもあって、初めからこのぐらいの任期が分かっていればもう少し新しい機軸も打ち出せることができる時間があったかもしれない」と話し、「前々から日本の持っている農業力、種子の開発から農業土木的なもの、農機であるとか、そういう総合力を国として他の国に営業できるようなことを国全体としてやるべきではないかと思っていたが、なかなかそういう議論を政府内ですることにはならなかった」ことや食品産業、消費者との連携強化、食品安全庁の設置検討なども含め「計画的に取り組むかたちにならなかったのは反省する点。しかし、当たり前のように政権交代がこの国で起こることを鑑みれば、また再び政権に戻るという努力をして、言ったようなことを改めてやっていきたい」と話した。
 TPPについては「私は農林水産大臣という立場で、寄せられている声が不安、そして不信を抱いているということだから、そのことをきちんと代弁をしていくのが仕事だと思ってきた」と話し、新農相に対しては「(TPP参加の)最終的な判断は政府がトータルで行うことだが、新しい農相が安倍内閣のもとでどう意思疎通を図って役割を担うのか、そこは単に誰が(農相に)なるかということではなくて、安倍政権ののありようにも関わってくる問題でもあるので、きちんと議論してもらうしかないだろう。
 ただ、私自身は人口が減るなかで人がいなくなる地域が全国に相当増え、そのことによって農山漁村の存立が失われることは国土の発展のためにも、この国自体にも私はよくないと(思っている)。それを超えられるような手だてをしっかりと行うということなしに(TPP参加は)心配だと伝えていきたい」と述べたほか、「(この)国が持っている農業力を世界に伝播して人口増加や食糧難に対応できるような国際関係をつくるということと、EPAやWTOという経済分野の連携についてはどこかで一度話し合いがなされるべき。その意味では一挙にTPPに行くには議論が不足しているという思いを持っている。そこはこれからも議論をしていきたい」などと話した。

(2012.12.26)