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信用・共済分離論を排す

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「JA綱領」を読み解く その2

 「JA綱領」とは一体何なのでしょうか。漫然と眺めているだけでは「綱領」が持つ意味や問題点を理解することはできません。「綱領」を読み解くには、一定の切り口が必要になります。ここではその切り口を、組織論の観点から、筆者が提唱する、[1]「総合JAの経営組織モデル」と、[2]組織の「理念」「特質」「運営方法」などの組織運営の考え方の2つに求めます。

◆「JA綱領」を読み解く二つの切り口

 まず最初の、「JAの経営組織モデル」によれば、JAとは、組織の本質を組合員の協同活動とし、農業振興と総合事業という2つの事業領域を持ち、また「協同組合原則」と「組合員への一体的対応」という組織独自の「運営方法」を持つことにより、組合員のニーズ・願いを実現して行く組織です(図1)。
 総合JAとはどのような存在か。この当たり前の問いに、これまで正面から答えたものはありませんでした。まずは自らのJA組織がどのような組織なのかの共通理解が必要です。

seri1110福間莞爾第13回01.gif また、後にも述べるように、組織は「理念」、「特質」、「運営方法」という3つの要素によって運営されますが、この3つの要素は、「理念」によって「特質」や「運営方法」がつくりだされ、「特質」や「運営方法」によって「理念」が実現されるという関係にあります。
 こうした「JAの経営組織モデル」で説明できるJA組織の理解や「理念」、「特質」、「運営方法」といった組織運営の3つの要素を考えることによって、「JA綱領」を新たな視点から読み解くことが出来ます。次回は、その内容について述べて見ます。

【著者】福間莞爾
           総合JA研究会主宰

(2011.10.04)