◆「JA綱領」を読み解く二つの切り口
まず最初の、「JAの経営組織モデル」によれば、JAとは、組織の本質を組合員の協同活動とし、農業振興と総合事業という2つの事業領域を持ち、また「協同組合原則」と「組合員への一体的対応」という組織独自の「運営方法」を持つことにより、組合員のニーズ・願いを実現して行く組織です(図1)。
総合JAとはどのような存在か。この当たり前の問いに、これまで正面から答えたものはありませんでした。まずは自らのJA組織がどのような組織なのかの共通理解が必要です。
また、後にも述べるように、組織は「理念」、「特質」、「運営方法」という3つの要素によって運営されますが、この3つの要素は、「理念」によって「特質」や「運営方法」がつくりだされ、「特質」や「運営方法」によって「理念」が実現されるという関係にあります。
こうした「JAの経営組織モデル」で説明できるJA組織の理解や「理念」、「特質」、「運営方法」といった組織運営の3つの要素を考えることによって、「JA綱領」を新たな視点から読み解くことが出来ます。次回は、その内容について述べて見ます。
総合JA研究会主宰