全国市町村の現地調査結果をもとに推計した結果、耕作放棄地は28万4000haにのぼると農林水産省は4月7日公表した。 この調査は今後農地として利用できるかその可能性に着目して行ったもの。調査時点で作付けされていなくても、一定の管理が行われているとみなされた農地は耕作放棄地には含めない。今回の調査から同省はそうした不作付農地は約19万haにものぼるという推計結果も同時に明らかにした。 同省によると、農産物価格の下落や高齢化などで、農地を荒らさないよう管理してはいるが、栽培しても展望が持てない、と何も作付けていない農地というイメージだ。 耕作放棄地のうち原野化、森林化していない農地は基盤整備など何らかの手当てをすれば耕作可能になるという意味で、日本の食料生産にとって「宝の山」(小田切徳美明治大教授)ともいえる。 一方、約19万haもの不作付け地はすぐに耕作可能になるという点でいえば、日本にとって「宝の持ち腐れ」である。なぜ、不作付けが続くのか。どうすれば作付けが再開されるのか。自給力向上にとってこの19万haに対する対策も重要になる。 |