タイ国家貿易取引委員会が毎週公表するタイ産うるち精米2等の価格は、今年4月第1水曜日では1トン当たり614ドル(FOB価格:本船積込渡価格)だった。
米の国際価格は07年6月からフィリピンなど東南アジアでの需要が増加したことに加えイラク向けの輸出が増加、世界的な需給引き締まりから値が上がり始めた。さらにベトナム、インド、中国などの輸出規制の影響で08年5月に史上最高の1038ドル/トンを記録した。その後、ベトナムの輸出規制の解除や、世界金融危機による投機資金の流出、不況の影響で価格は下がったが、09年に入ってフィリピンの買い付けなどで600ドル台で推移している。
昨年の高騰時よりは下がったとはいえ、06年、07年に比べれば2倍程度の水準が続いている。
とうもろこし、大豆、小麦も同様の傾向で06年秋にくらべて1.3〜2倍だ。
米国農務省が4月9日に発表した08/09年の需給見込みでは米の生産量(精米)は対前年度比2.1%増え4億4110万トンとなっている。中国、インドで増加するとの見通しだが、同様に消費量も両国で増えるとしている。
米の貿易量は生産量全体の7%程度しかない。農林水産省などの中長期展望では穀物全体として従来にくらべて価格は高水準が続くとみている。