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19年産国産大豆 質、量とも安定供給確保

 大豆の需給・価格情報に関する委員会(大豆情報委員会)は3月18日、第44回委員会を開き、需給・価格動向を検討した。

 農水省統計部が2月29日公表した19年産大豆の収穫量22万9400tに対する2月末の集荷見込みは17万4856t(前年対比107%)で、生産者、需要者側双方が安定量の確保ができたと評価した。
 全農の2月末現在の集荷見込みは16万9906t(前年対比109%)。北海道は作付け減で前年比83%、九州は天候に恵まれ前年比188%。2月末現在の全農、全集連合計の集荷進度は95%(前年同月は97%)。平成20年1月末の検査結果の等級比率は1等が23.6%(前年産同期は17.4%)、2等は31.6%(同38.8%)で、19年産は1等比率が増え、質、量ともまずまずの状況だとしている。
 2月末の販売数量は前年対比124%の3万4639t。販売進度は20%(前年同期は17%)で、3月も順調に推移している。販売方式は入札販売が59%、契約・相対販売が41%。入札は2月末まで計7回行われ、2万305tが落札された。落札価格はゆるやかな低下傾向で、過去2年間と同様の傾向となっている。
 ただ、今年の外国産大豆の生産動向などについて、輸入商社が5月頃には見通しをつけると予想され、動向次第ではその後の展開に動きが有りそうとの見方もある。
 用途別では、納豆用主力の北海道スズマル(小粒)は作付け減から毎回大幅に続伸しており、昨年12月価格の60kg当たり9484円に対し、今年2月の落札価格は1万4430円へ跳ね上がり5割高だった。今後、入札への上場は5月までで、その後は契約分のみの受け渡しとなると全農は見込んでいる。
 小粒の生産拡大への需要者の要望は強いが、難点は小粒の用途が納豆に限定されること。増産体制に入ってから状況が変わって供給過剰になった場合、全体の価格を押し下げかねない。契約栽培の強化など、「安定供給を支える仕組みが必要」と関係者はいう。
 普通大豆ではフクユタカがこれまで九州の主力品種だったが、温暖化の影響で最近では東海地方でも栽培が可能になった。このため、流通業者にとり主力品種としての魅力が薄れ、九州での新品種栽培を望む声が強いという。
 また、北陸の主力品種エンレイは栽培年数が古く品種劣化が進んでおり、代替品種が求められるなど、国産大豆の新品種開発に対し、農水省の支援、研究機関の開発のスピードアップなどに期待が寄せられている。

(2008.03.21)