今後の牛乳値上げを容認する消費者は79%、許容できる値上げ幅は1リットル19円だが、牛乳が「国産100%」の食品であることを意識してもらった後の再質問に対しては容認が86%に増え、値上げ幅も1円ほど上がった−−という「食品と牛乳に関する消費者緊急調査」結果を中央酪農会議が1月15日発表した。
酪農経営は飼料などの資材高で赤字が目立ち、牛乳値上げが予定されている。これに対する消費動向を見極めるため中酪は昨年末に全国500人の既婚女性を対象にインターネット調査を実施した。
牛乳値上げを容認した理由を整理すると、「苦労している酪農家を応援したい」との趣旨が25%強で最も多かった。以下▽他の食料なども値上がりしているから▽生産コストが上昇したから▽牛乳が必要だから−−の順となった。
酪農家に対する好感度も質問した。好感を持つ人の割合は96%と高く、その理由は▽きつい仕事だから▽一生懸命がんばっているから▽酪農家がいないと(品質の良い)牛乳が飲めないから▽毎日生き物の世話をする大変な仕事だから−−の順となった。
◆「国産」イメージの筆頭はコメ、次は牛乳
日本で売られている牛乳がすべて国産であることを「全く知らなかった」人も5%いた。「ほとんど知らなかった」の17%を合わせると2割以上となる。「なんとなく知っていた」は58%となっている。
牛乳が「国産100%」であることを「良いと思う」人は98%で非常に高率だった。その理由は「生もの」であり「毎日飲む」ものだから国産だと「安心」できるという意識が最も多く、4割を占めた。これに「安全」への意識を加えると、「安心・安全」への評価が約6割となった。
「国産100%」の言葉からイメージする食品は(1)コメ31%(2)牛乳15%(3)ミカン(オレンジ)ジュース(4)肉類8%の順。
また食品と飲料を買うときに最も意識することを4択で聞いたところ(1)安全(2)美味(3)値段(4)健康となったが、年収別では下位階層になるにつれ「値段」を選ぶ比率が高くなった。