◆7割が直販実施
回答法人の年間平均売上高は2億7054万円で04年の前回調査を約3700万円上回った。売上規模は1?3億円が最も多くて3割強。
4年前に比べ平均成長率は115%だが、その前の4年間との比較では鈍化している。今回調査では売上規模3億円以上の法人の成長率が高く、それ未満の法人では全体的に低い。
また企業年齢が高まると成長率は鈍化する傾向だ。しかし社長が代わると成長率は再び上昇する。
企業年齢が20年以上で社長の代が平均2年強の法人では平均成長率が111%であるのに比べ、企業年齢5?9歳、社長の代が1年強という場合は成長率が153%となっている。
経営の多角化では、生産だけの法人の売上規模は約2億9000万円だが、生産・販売・観光・加工の4分野にわたる経営では約4億6000万円と大きい。
しかし多角化といっても2?3分野の段階では生産だけに特化した法人よりも平均売上規模は小さい。
一方、多角化が進んだ法人ほど、さらなる多角化を目指しているとの意向も示された。
販路は多様化して、7割が直販を実施。取引ロットの大きい業者直販が売上げの伸びに寄与している。
果樹や花、工芸作物(茶その他)などの嗜好品は生活者直販の割合が比較的高い。直販の顧客基盤が厳しい時代の経営の支えとなっている。
◆資材高の影響大
酪農の場合は7割以上がJA出荷だ。
経営効率はやや上昇しており、売上規模が大きいほど経営効率が高いといえる。
経営管理については税理士または公認会計士と顧問契約する割合が高まっており、契約率は84%と高い。
07年からの資材高の影響は「非常に大きい」「大きい」が約9割。耕種では「非常に…」が5割だが、畜産では9割弱を占めた。
コスト増加分をすべて価格転嫁できたのは約13%。転嫁できない理由は「価格決定権が取引先にあるため」「同業者との横並びを基準としているため」など。
金融関係では、金利と償還期間を重視するのは公庫をメインバンクとする法人が多く、簡便な手続きを重視するのはJAをメインバンクとする法人に多いという結果も出た。
また9割弱の法人がJAの組合員だが、うち8割弱がJAと金融取引をしている。