農家の生活設計や夢の実現に向けた「ライフプラン&家計簿」学習実践運動を行う中で「家の光家計簿」記帳者のうち約300人の応募を得て調査した。
結果は、農外収入などを合わせた1世帯当たり平均収入は769万円で前年と同水準だった。内訳は農業収入(現金収入)が208万円で総収入額の27%となった。
農外収入は約46%を占めたが、前年と比べると2%強の微減となった。「その他」は約26%を占め、前年比では5%強の増加。
なお農家世帯に限ると平均収入は1066万円で調査対象者全体に比べて300万円近く多くなっている。うち農業収入は418万円、農外収入は356万円、その他は278万円などとなっており非農家と比べると農業収入だけでなく、その他の収入の多さも目立つ結果となった。
◆消費性向は六割
1世帯当たりの総支出は716万円で前年に比べ3.5%の増加。うち農業支出は119万円で前年比19%の増加。返済は34万円で21%強の増加となった。
一方、家計支出は346万円で前年を1.4%下回った。全体では総収入は昨年と変わらない中で農業支出や返済などの支出が増加し、家計支出がやや減少するという実態だ。
総収入額が大幅に増加した農家世帯の家計支出は396万円で前年比約8%の増加となり、非農家に比べ家計支出の増加が顕著だ。
可処分所得は580万円で2%強の減少だったが、農家世帯では734万円で14%近く大幅に増加した。可処分所得に占める家計支出の割合いわゆる消費性向は約60%で前年とほぼ同水準だった。
◆不満足が増える
また家計支出の費目別特徴については、日常の生活必需品の支出が減少した。
家計に対する満足度については「満足していない」割合が微増した。家計の不満点は、収入に関する不満が、支出と収支バランスに対する不満よりもぐんと増加した。
家計の不足金額については「月に5万円から10万円」と感じる人が増加した。
なお年代別に農業収入の推移をみると調査の協力者が50代の世帯で大幅に増加。また60代、70歳以上の世帯でも昨年より増加している。農家世帯の農業収入は昨年より50万円程度増加し、減少傾向に歯止めを打った形になっている。