人口減少とともに高齢化が進むことで食料全体の需要も少なくなる一方、食料支出額が微減にとどまるのは、消費者のニーズが生鮮品よりも、加工度合い・価格ともに高い調理食品へ変わるためだ。
食料支出額全体の中の生鮮品(米、生鮮魚介・肉・野菜・果物、卵)の割合は05年で26.8%だが、25年には21.3%にまで落ちる見込み。
一方、調理食品は05年の12.0%が、25年に16.6%にまで伸びる。外食も05年の22.1%が、25年に20.8%に微減する見込みで、今後は内食・外食から中食へのシフトチェンジが加速すると見ている。
農水省はこの試算を踏まえて、生産・流通サイドに食料消費ニーズの変化への対応を呼びかけている。
具体的には、農業・農村の6次産業化と食品産業との連携を推進し加工・調理食品と、増える高齢・単身世帯を対象にした健康に配慮した食品や利便性の高い食料提供サービスなどを開発する必要があるとしている。
この試算は、世代による嗜好の差、消費者個々の加齢、社会全体が同じ方向に変化していく時代効果などから総合的に判断して算出したもの。GDP伸び率を1.5〜1.6%とし、食料品の価格は05年時の価格が据え置かれる前提。