野菜を食べる人は昨年の調査に比べて「ほぼ毎日食べる」が全体で7ポイントほど落ちたほか、「週に1回かそれ以下、または食べない」は、昨年の9%から、今年は12%と3ポイント増えた。特に単身男性では、昨年の18%から27%と9ポイントも増えた。単身男性の「ほぼ毎日」「週に4〜5回」は56%と7ポイント減だった。
果物を食べる頻度も同じく減少しており、全体で「ほぼ毎日」が昨年30%から28%に2ポイント減り、「週に1回かそれ以下、または食べない」が34%から38%に4ポイント増えた。
◆食べなくても不満感じず
野菜・果物を食べる頻度が減った一方、「もっと食べる必要があると思う」と答えた人は野菜で昨年とほとんど変わらず45%ほど、果物で2ポイントほど増えて52%だった。
「もっと食べる必要があると思う」と答えた人に、どんなきっかけがあればよいか、と聞いたところ、野菜・果物ともに「安くなれば」がトップ(野菜54%、果物68%)だったが、野菜では次点に「手間をかけずに食べられれば」43%、4位に「時間に余裕があれば」32%とあり、果物では次点に「カットフルーツが安くなれば」34%、4位に「食べたい量だけ買えれば」31%とあり、野菜・果物ともに、食べるのに手間がかかる、1個(パック)買っても食べきれない、などの理由で敬遠している人が多いとの印象を受ける。
しかし加工品が選ばれるようになったというわけではなく、加工品を「週に1回かそれ以下、または食べない」と答えた人はカットフルーツが8割以上、野菜サラダが7割、ジュース類が5割前後と昨年とほとんど変わっていない。
一方、野菜・果物が好きかどうか、の質問では全体的に95%が「好き」「どちらかといえば好き」と答えたものの、主婦・単身女性ともに「好き」が3〜5ポイント減って7割ほど、「どちらかといえば好き」が同程度増えて2〜3割となっており、概ね好んではいるものの消極的になった感が否めない。また、単身男性では野菜を「嫌い」「どちらかといえば嫌い」と答えた人が5%から12%へ大幅に増えた。
JA総研では「今後も野菜・果物を好む人が減れば、価格や手間などに関係なく消費減退が進む可能性がある」と指摘し、「この傾向が一過性のものか、継続的なものか、来年以降も調査を継続して検討したい」としている。
◆購入先はスーパーがほぼ100%、ネット販売も目立つ
日ごろ野菜・果物を購入している場所では、ともに「スーパー・量販店」が97%で断トツの1位。次いで「青果店・八百屋」、「生協」が2〜3割となっている。「農産物直売所」は2割、「農協」は7%ほど。野菜では「スーパーのネット販売」も7%ほどと目立った。
野菜購入時に国産品を選ぶかどうか、では36%が「価格に関係なく選ぶ」と答え、40%が「価格差が許容範囲であれば」と答えた。その許容範囲は「2割まで」が34%、「3割まで」が24%。
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全国の消費者を対象にしたJA総研の農畜産物の消費行動調査は、20年1月から(1)米、(2)野菜、(3)果実、(4)畜産物などの各品目別に随時行っている。今回の調査は通算9回目。7月下旬に、全国の主婦・単身男女を対象にインターネットモニターを通じて行った。