農業経営統計調査は個別と組織(法人や集落営農など)に大別され、今回は個別経営について13営農類型別に経営収支をまとめた。 うち主な4類型の1経営体当たりの農業所得は▽水田作が35万円で12%▽畑作が217万円で5.6%▽露地野菜作が177万円で0.7%と、それぞれ前年に比べ軒並みに減少した。
酪農だけが768万円で83.2%増加した。
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13類型のほかに「その他」に分類される経営体があり、それを加えて集計した「経営形態別経営統計」も併せて発表した。
それによると、農業生産物の販売を目的とする個別経営の全国1経営体当たりの農業粗収益は431万円で前年に比べ1.5%減少した。
一方、農業経営費は327万円で0.8%減少。その結果、農業所得は104万円となり、3.7%減少した。
農外所得は169万円で9.3%減少したが、年金などの収入は183万円で7.1%増加した。
結果は、農業所得と農業生産の関連事業所得、農外所得と年金などの収入を加えた総所得は457万円となり、前年比2%減少した。
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類型別に見て農業所得の落ち込みは水田作経営が最もひどい。農業粗収益が減少し、農業経営費は増加した。
畑作経営は北海道、九州ともに粗収益と経営費が増加し、北海道では農業所得も増加したが、九州では経営費増加が相対的に大きく所得が減少した。
野菜作・果樹作・花き作経営の類型では、露地・施設野菜とも粗収益が増加し、施設野菜では所得も増えた。果樹はすべてにわたって減少した。花きは経営費の減少が寄与して所得が増えた。
畜産では酪農の粗収益が増え、経営費が減少して所得が増えた。肉用牛はすべて減少したが所得減少率は繁殖牛が8%台、肥育牛が3%台。採卵養鶏とブロイラー養鶏はどちらも6%台だったが、それらに比べ養豚経営の所得減少率は47.5%と大きかった。