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PB食品伸びる NBの巻き返しも  富士経済の市場実態調査

 市場調査の富士経済は「プライベートブランド(PB)食品市場の実態総調査2011」を2月14日まとめた。

PB食品伸びる NBの巻き返しも PB食品の2010年販売見込みは前年比6・9%増の2兆4265億円、またPBの売上比率は07年の約6%から9・3%に伸びる見込み。
 PB市場は“1億総中流社会”の崩壊を背景に、生活必需品を中心に価格を最優先する層が急増して順調に拡大してきた。
 しかし10年に入ってナショナルブランド(NB)がこれに対抗し、値下げを強化したため、多くのPBの価格優位性が薄れ、PB市場拡大の勢いに陰りが見え始めて、商品単価の下落、買上げ点数の横ばい、客数減などが続いている。
 このため小売業界は安いだけでは消費者の支持を得られない市場環境に対応し、PBの「アイテム拡大」から「単品強化」へと大きく舵を切る動きが出てきている。
 10年見込みの市場規模が最も大きいカテゴリーは日配和風・同ドライ(パン、練製品、漬物など)で、前年比7・3%増の7200億円となる。中でもパン市場が大きい。
 2番目はチルド飲料・乳製品(牛乳、果汁、野菜飲料、チーズなど)で6・5%増が見込まれる。うち牛乳は1200億円超の市場。 菓子では100円均一などの均一菓子が1000億円を超え、飲料・嗜好品ではお茶類が600億円超の市場となった。
 食用油やマヨネーズはNBの巻き返しが強まっている。乾物の加工ゴマや、かつおパックは有力ブランドが少ないためPBの参入障壁は低い。
 一方、PB比率が低いのは缶コーヒー、ビール類、ガム、キャンディ・グミなど。
 注目市場としては冷凍スナック類があり、販売見込み216億円、PB売上比率約29%の見込み。種類はたこ焼きお好み焼きグラタン・ドリア和風スナック(大学イモ、今川焼、鯛焼きなど)洋風同(ホットケーキ、パンケーキ、ワッフルなど。
 節約志向の高まりからスナックを作る家庭が増え、低価格でラインナップを拡充したPBは市場を広げており、コンビニではレンジ調理ができる商品として定番化されるものも増加している。

(2011.02.15)