調査は昨年12月に行い、項目は(1)TPPへの参加検討に対する評価(2)「戸別所得補償モデル対策」に対する評価(3)国の農政に期待する政策課題(4)国民合意農政確立に向けた取り組み、の4点。
◆TPP「評価できない」が8割
(1)TPPへの参加検討に対する評価では、「評価できない」との回答が全体で84.4%だった。なかでもJAは97.3%で反対意見が強く表れた。
理由として全体でもっとも多かったのが「参加を急ぎすぎており、国民が理解を深める時間が必要」との意見で(72.3%)、次に「食料安保・農業の持続的発展などとの両立はできない」(69.1%)が挙がった。
一方、「評価する」は13.4%だった。
◆生協は「戸別所得補償」を評価
「戸別所得補償モデル対策」に対する評価は全体で「評価する」が38.2%、「評価できない」が58.5%となった。「評価できない」はJAでもっとも高く、逆に生協は「評価する」が51.7%で過半数を超えた。
「評価できない」理由としてもっとも多かったのがJAと生協で1位、市町村で3位だった「需給調整不足のために米価が下落した」。市町村の1位は「制度の周知徹底が不十分だった」。
◆「地産地消」重視する傾向
期待する農政の政策課題を聞いたところ、全体での1位は「農業所得確保対策」、2位は「青年層の就農支援策」、3位は「食料自給率向上対策」となった。
団体別に見ると市町村とJAの順位に変わりはないが、生協は「食料自給率向上対策」が1位となった。
国民合意農政の確立に向けた取り組みと重視度についての調査では、どちらとも「地産地消活動」が1位だったことから、認識の高さがうかがえる。
また、取り組み状況の上位には他に「食農教育」、「食育活動」が挙がった。
重視度では他に「多面的機能に関する消費者理解の促進」、「食育活動」が上位となった。特徴は市町村の重視度率がJA、生協と比較すると低いこと、JAは「多面的機能に関する消費者理解の促進」をもっとも重視していることだ。