JA全農は12月から、新農薬年度を迎える。農家は農業生産資材の高騰を農産物価格に転嫁できず、依然、厳しい状況が続いている。担い手対応、大規模農家などを後方支援する農薬大型規格品だが、平成20年度の55品目から新農薬年度は193品目と大幅に拡大した。特徴をJA全農肥料農薬部・農薬課にインタビューし、特集とした。
――農薬大型規格品の推奨の背景には、何がありますか。
全農 「全農は農薬大型規格品への取組を新生プランの担い手対応強化に向けた最重要課題に位置づけ、積極的な取組を進めています」
――担い手対応の強化で、新生プランに農薬事業を含む生産資材のかなりの部分がかかわっています。
全農 「そうですね。ご指摘の通り、新生プランはかなりの部分でかかわっていますが、農薬大型規格品はあくまでも担い手対応への強化策、大規模農家が大前提です」
「平成18年に生産資材費コスト低減を目的とした農薬大型規格品実施要領を制定し、担い手農家の支援について、JAグループをあげて積極的に取組んでいます」
「全国で幅広く愛用されている農薬を中心に、通常の規格よりも割安な大型規格を設定したわけです」
――取扱品目の大幅な拡大が行われました。種類別の特徴は。
全農 「平成20農薬年度は55品目の設定でしたが、その後、より幅広い担い手への対応および支援をはかっていくため、品目数を大幅に拡大し、新農薬年度(平成21農薬年度)は193品目を設定しました。園芸品目についても、充実しつつあります」
「水稲除草剤は、全農が開発した高性能ヒエ剤・MY−100(有効成分:オキサジクロメホン)混合剤をはじめとして、田植同時処理対応剤、SU(スルホニルウレア)抵抗性雑草対策剤など、幅広い品目をラインアップしました」
「育苗箱剤は、播種同時処理が可能でいもち病や各種水稲害虫に長期残効を示す嵐プリンスやコストパフォーマンスに優れるデジタルコラトップアクタラ箱粒剤など、特徴ある品目を品揃えしました。大規模育苗施設で播種同時処理機を使用する場面では、大型規格が省力的にも貢献しています」
――もともと、大型規格は茎葉処理剤が出発では。
全農 「現在ではラウンドアップマックスロード、バスタ、プリグロックスL、といったメジャーな剤をラインアップしています」
「麦、大豆など特にコスト削減が希求される畑作場面ではトレファノサイド、ゴーゴーサン、クリアターンといった汎用性の極めて高い土壌処理剤を選択しました」
――その他の種類では。
全農 「ヨトウなど大型チョウ目に卓越した効果を示すトルネードフロアブル、大豆の病害虫に幅広く効果のあるマネージトレボンフロアブル、汎用性の高いダイアジノン粒剤10など特徴ある品目を準備しました」
――いよいよ、予約受注の時期です。
全農 「最優先課題は、農家の皆さんに大型規格を知って頂くことです。JA注文書作成の支援も、全農として積極的に行っていきます」
――ありがとうございました。
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