◆特別重点推進品目
基幹品目の中でも特に重要な品目で、系統主導で品目推進を図る品目を選定している。
水稲除草剤分野では、全農の共同開発品目であるMY-100(オキサジクロメホン)と、AVH-301(テフリルトリオン)の混合剤を特別重点品目として設定した。
テフリルトリオン(AVH-301)混合剤(商品名「エーワン」「ゲットスター」「ボデーガード」)は、本格上市初年度の平成23年、3剤で全国で15万haの普及となった。これは、SU抵抗性雑草を含む一年生雑草や多年生雑草や、全国的に増えているイボクサ、アシカキといった特殊雑草への高い効果が現場のニーズに合致したものと考えられる。
また、ヒエ剤との2種混合で既存の一発処理剤と同等以上の性能があるので、特別栽培での使用に適していることも、大きく普及した理由のひとつである。25年度も引続き特別重点品目としてさらに普及拡大をめざす。
そのほか特別重点品目に選定された品目はオキサジクロメホン(MY-100)の混合剤が中心である。これは全農がバイエルクロップサイエンスと共同開発したヒエ剤であり、高い効果と残効性が特徴である。現場のニーズに合わせて選択できるようラインナップも充実しており、AVH-301剤との混合剤であるエーワン剤、除草剤成分ピリミスルファンとの混合剤であるマイウェイ剤・マイウェイゼロ剤、ピラクロニル、ピラゾスルフロンエチル、およびベンゾビシクロンとの4成分混合剤で安定した効果と残効性が特徴のシリウスエグザ剤などの新しい剤も普及が進んでいる。さらに平成25年度から新規品目として、ピラクロニル、イマゾスルフロンとの3成分混合剤であるサラブレッドKAI剤が加わった。コナギ、アゼナなどSU抵抗性雑草や多年生難防除雑草に効果があり、田植同時処理にも適した剤である。
水稲殺虫殺菌剤では、育苗箱で処理して小型カメムシまで効果を示す箱処理剤のデジタルメガフレア箱粒剤はじめ、嵐プリンス箱粒剤、デジタルコラトップアクタラ箱粒剤を設定している。いずれも長期残効型で高い効果を示す剤であり、経済的な大型規格もラインナップしている。
◆重点品目
基幹品目の中で、大型かつ全国的な品目で、事業推進上特に重要な品目を選定している。
水稲用の農薬としては、後期除草剤のワイドアタックSC、フォローアップ粒剤、箱処理剤ではDr.オリゼプリンス剤、フルサポート箱粒剤、種子消毒剤のテクリードCなどが設定されている。いずれもすでに広く普及している定番品目である。
◆系統育成品目
全農の試験等を通じその効果や作物への安全性が確認されている品目で、防除上必須の品目であり、系統主導で普及推進を図りたい品目を選定している。
ヒエだけでなくオモダカ等の広葉にも効果のある除草成分ピラクロニルを含むピラクロン剤、バッチリ剤、本田カメムシ防除剤であるスタークル1キロH粒剤、キラップ粒剤、微生物種子消毒剤のタフブロックなどがある。いもち剤イソチアニル(商品名ルーチン、スタウト)剤では、ルーチンバリアード箱粒剤は高い効果を発揮する低コスト剤である。
いずれも、大型品目に成長する見込みのある品目として選定されており、効果が高く、既に現場で普及されている品目もある。
◆基幹品目
基幹品目の一覧は表のとおりである。ウンカに効果の高いチェスとチョウ目害虫に効果の高いフェルテラ剤の混合剤であるデジタルバウアー箱粒剤等がラインアップされている。また、平成25年度から新規品目として、初期除草剤であるメテオ剤が加わった。AVH-301剤との体系処理により、低コストで安定した効果が期待できる。
◆大型規格設定品目
全農では、担い手農家支援のひとつとして、通常の規格よりも割安な「大型規格」を設定している。大型規格を使用することにより、単位面積あたりの防除コストを引き下げ、省力化を図ることもできる。
平成25農薬年度も主力の除草剤、箱処理剤で設定している。除草剤の粒剤や水稲箱処理剤の10kg規格(1ha相当)や、除草フロアブル剤の2リットル規格(40a相当)が主流であるが、シリウスターボジャンボの900g規格(30a相当)や、デジタルコラトップアクタラ箱粒剤およびデジタルメガフレア箱粒剤の3kg規格(30a相当)など使いやすい規格も出てきた。さらに、嵐プリンス箱粒剤など播種同時処理のできる箱処理剤の10kg規格は、大規模農家や大型育苗センターなどで機械処理に利用され好評である。
なお、大型規格は地域によって取り扱いが異なるので、まずは最寄りのJAに問い合わせること。
平成25農薬年度
水稲分野基幹品目一覧
(特別重点品目、重点品目、育成品目を除く)
(園芸品目編はコチラから)