井上ひさしと考える 日本の農業

- 著者
- 井上ひさし著 山下惣一編
- 発行所
- 家の光協会
- 発行日
- 2013年7月1日
- 定価
- 本体1400円+税
- 電話
- 03-3266-9029
- 評者
- 岩崎健二 / JAえちご上越営農生活部園芸畜産課
「日本の農業を守る」ことは、生産者サイドだけで訴えても進まない。国の責任ばかり追及しても始まらない。国民消費者から農業の役割、機能を理解してもらい、農業の応援団にしなければならない。そのためにも日本農業の重要性と食料自給率向上の必要性に対しての確たる信念、哲学がまず我々農業者サイドには必要だ。そう確信させる一冊である。
確たる農の哲学、農業者に伝える
米問題から見えてくる食料問題と国際問題。伝統食と食品輸入。国土保全と環境。食の豊かさと輸入の危険。食の安全と農産物価格。生産者(農村)の責任と消費者(都市)の責任。大企業の思惑と農家の意識など、様々な問題が分かりやすく書かれている。矛盾が多い日本農政の歴史書としても本書を読みたい。
井上ひさしさんが発表した農業や食料問題に関するエッセイ、講演録、対談を編纂した本書。半ばで掲載されている1990年当時在日アメリカ公使農務担当のパーカーさんとの対談では国民性が垣間見られ生々しく興味深い。また、ヨーロッパ農業先進国のイタリアのボローニャの自治方式、フランスの農業基本法など事例や農政事情が記述され、農業問題は生・消連携から国民運動に発展しなければ解決しないことが分かる。
ところで、私は雪国新潟の上越地区で農産物直売所の設置と運営に携わってきた。直売所は地場農産物を売買するだけでなく、生・消の交流の場、食の大切さと農業の重要性を考える場など多面的機能がある。農業問題は消費者の問題であり、農業振興には消費者理解と参画が不可欠である。そのための仕掛け作りが重要であると感じている昨今。日本農業の未来は直売発展と地産地消にあると確認した。
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