JAの歴史と私たちの役割
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- 著者
- 石田正昭
- 発行所
- 家の光協会
- 発行日
- 2014年3月1日
- 定価
- 756円(税込)
- 電話
- 03-3266-9029
- 評者
- 坂本一郎 / JA東京むさし常務理事
石田正昭先生著によるこの本の有効性は、日本農業と農業者の歴史を克明に書かれた点である。家族経営の主たる業が農業であり、歴史は繰り返されると言われるが、2014年は国連が定めた国際家族農業年であり、国連報告書は農業経営の主体は家族であることを明記している。家族制度が崩壊に向かいつつある昨今、今一度家族とは、との問いかけが必要だと感じた。
農協の原点に学び
人材育成に活かす
さて、JAの生い立ちに目を向けることにする。戦後の復興と民主化はGHQ政策のもとで[1]財閥解体[2]労働三法の成立[3]農地改革の三本柱で進められた。封建的な小作と地主の関係の解消と記憶している。その点も詳しく記載されていた。
このような形で誕生した農業協同組合は、戦後の高度経済成長の時代を経て、バブル時代、低経済成長時代と変化に富んできた。様々な時代背景のもとJAそのものにも改革の必要性が生じた。この書においては96ページからである。協同組合の原点とこれからのJA運動として示されていた。 当JAでも、長期基本計画にて長期的視点に立ち、組合員の声を反映した経営理念・ビジョン・経営方針を打立てたが、その際痛感したことは、歴史的背景やJAの本質を知らずに世代交代をしてしまった組合員への教育の場が急務であり、人づくり事業の重要性だった。
で、長期計画には、組合員に対する人材育成は、JA運動の啓発を図り、農業経営・協同組合・組織等組合員としての教育を実施していくことを明記した。いわゆる教育文化活動の実践である。JA・組合活動の主役は組合員であり、組合員のJA運営への参加・参画による結集力を強化するために、次世代を担う組合員を対象に、地域のリーダー的人材を育成することを目的に組合員教育文化事業として『組合員大学』を平成21年に開講した。
都市型JAとして、営農指導事業と資産管理事業を中核にした事業展開をし、平成13年には、農業後継者の出会いをサポートするための結婚相談センターを設置した。また、職員が農地保全を直接担う営農支援事業を平成20年度より開始し組合員の負託に応えている。
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