『共済総研レポート』別冊『震災復興 現地レポート』
風化させず、将来に活かす端緒に
- 著者
- 評者
東日本大震災から8年が経過するなかで、(一社)JA共済総合研究所(共済総研)は、機関誌『共済総研レポート』(年6回発行)で2013年4月から掲載を開始した「震災復興現地レポート」をまとめ、別冊『震災復興現地レポート』として刊行した。
内容は、同研究所が被災後の地域の復旧復興に向けた取り組みに焦点を当て、2012年から6年余り調査し機関誌に掲載してきたものをまとめたものである。
甚大な被害を被った東北地方のJAおよびその管内農業者などの方々による復旧復興の取り組みは、「震災から2年以上経過しても復興どころか復旧もままならない地域が存在」していた。ところが「時間の経過とともにメディアの報道も少なくなっており」被災地からも「風化」が懸念されるようになっていた。
そうした中で、同研究所は「大津波や原発事故で被災された農業者およびJA役職員の方々から、被災時の状況や生活・農業の普及復興に向けた取組み等を調査し、それらで得られた情報やデータを記録として残し、また随時情報発信していくことを調査研究事業の一つとして実施していくこととした」。
この方針の下で、東北地方太平洋沿岸の岩手県・宮城県・福島県の特定地域における震災復興に焦点をあて「定点観測」的に継続的に現地調査を行ってきた。
「東日本大震災の被災地における復旧・復興への道のりには、これからの日本の地域社会づくりをすすめるうえで重要な示唆が含まれて」いる。
本書は「震災の経験を風化させることなく、将来に活かす端緒」となるだろう。
なお、本書は市販品ではないが、震災復興現地レポート・アーカイブ(JA共済総合研究所)で本書に掲載された現地レポートをダウンロードして読むことができる。
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】JA全農(2025年1月1日付)2024年11月21日
-
【地域を診る】調査なくして政策なし 統計数字の落とし穴 京都橘大学教授 岡田知弘氏2024年11月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】国家戦略の欠如2024年11月21日
-
加藤一二三さんの詰め将棋連載がギネス世界記録に認定 『家の光』に65年62日掲載2024年11月21日
-
地域の活性化で「酪農危機」突破を 全農酪農経営体験発表会2024年11月21日
-
全農いわて 24年産米仮渡金(JA概算金)、追加支払い2000円 「販売環境好転、生産者に還元」2024年11月21日
-
鳥インフル ポーランドからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
鳥インフル カナダからの生きた家きん、家きん肉等の輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
JAあつぎとJAいちかわが連携協定 都市近郊農協同士 特産物販売や人的交流でタッグ2024年11月21日
-
どぶろくから酒、ビールへ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第317回2024年11月21日
-
JA三井ストラテジックパートナーズが営業開始 パートナー戦略を加速 JA三井リース2024年11月21日
-
【役員人事】協友アグリ(1月29日付)2024年11月21日
-
畜産から生まれる電気 発電所からリアルタイム配信 パルシステム東京2024年11月21日
-
積寒地でもスニーカーの歩きやすさ 防寒ブーツ「モントレ MB-799」発売 アキレス2024年11月21日
-
滋賀県「女性農業者学びのミニ講座」刈払機の使い方とメンテナンスを伝授 農機具王2024年11月21日
-
オーガニック日本茶を増やす「Ochanowa」有機JAS認証を取得 マイファーム2024年11月21日
-
11月29日「いい肉を当てよう 近江牛ガチャ」初開催 ここ滋賀2024年11月21日
-
「紅まどんな」解禁 愛媛県産かんきつ3品種「紅コレクション」各地でコラボ開始2024年11月21日
-
ベトナム南部における販売協力 トーモク2024年11月21日
-
有機EL発光材料の量産体制構築へ Kyuluxと資本業務提携契約を締結 日本曹達2024年11月21日