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「ケニア、豊かな大自然」2013年2月15日

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【原田 康】

 東アフリカのケニアは赤道直下であるが首都ナイロビは標高が1700mで昼間はさすがに30度近いが朝晩は15~16度まで下がる。ケニアの人口は約4000万人で首都ナイロビには1割近い人が集まっている。近代都市となったが交通渋滞がとてもひどい。幹線道路はラッシュアワー以外の昼間でも5~10分くらい全く動かない渋滞ぶりである。

 ナイロビから北へ300kmのケニア山の麓の4番目の都市エルドレッドの近郊の農村へ行った。標高が2000~2500mで朝晩は肌寒い気候である。この地帯は緑が多く緩やかな斜面には紅茶の原料のお茶畑が広がってとてもきれいである。大きい畑は5~10haもあるがほとんどは0.5ha位の小さな畑で新芽を手で摘み取っていた。成長が早いので週に2回くらい年中収穫が出来るとのことである。ここにはデルモンテのパイナップルのプランテーションとジュース工場がある。
 農場の広さは6000haで見渡す限りパイナップルである。周辺の畑は0.5ha位なので突如アメリカ型の大農場が出現した、という風景である。ジュース工場を含めて5000人くらいの人が働いている。デルモンテ城下町である。
 パイナップルの収穫は大型のトラクターにベルトのついたアームを取り付け横一列に25名ほどの人が並んでゆっくりと収穫をしながら移動をする。よく熟したものだけを収穫するので機械ではなく手で一個づつ採っている。
 この地帯の主な果実はパッションフルーツ、パイナップル、マンゴー、野菜はトマト、馬鈴薯、人参、キャベツなどでケニア国内の他周辺のウガンダ、ルワンダ、ソマリアなどへ国境を超えて各国の収穫時期によって行ったり来たりしている。東アフリカの広域流通が出来上がっている。道の向こうが隣の国であるので農家も商人も高く売れる市場に持って行っている。
 地図を広げてみるとよくわかるが、アフリカの国境は山や川の自然条件や人の生活には関係なく1884~5年のいわゆる欧米の列強国による植民地争奪で勝手に地図に線を引いて植民地にした矛盾が経済の発展によって改めて出現しているのが現在の姿である。
 豊かなはずのアフリカの大地を欧米の各国が、地理、民族、宗教に関係なく分断をしておいて、地下資源に群がっているのが現在のアフリカ各地で起きている紛争の根本原因である。

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