【目明き千人】輸出の拡大も課題2013年4月16日
日本の農業が国際競争力を持つための尺度となるのが輸出を伸ばすことである。高品質、美味しい、ヘルシー、日本食が見直されているとのムードだけでは国際競争力の舞台では勝てない。
大都市でイベント的なデモショップや試食即売会をやって評判が好かった、をそこでお終いとせず経済ベースの事業へ結びつけることである。
例えば、日本のコメはご飯にすると確かに美味しい。ジャポニカ米で香りと粘り気があり、日本的なご飯の炊き方とお菜がバランスしているからである。アジアやアフリカでもコメの需要が増えている。但し、食べ方がかなり異なり日本流にいえばご飯に味噌汁をぶっかけける食べ方で、しかも肉の入った濃いスープを混ぜて食べる。このような食べ方にはインデカ米が相性がよい。精米の選別も大雑把である。
リンゴも日本では皮をむいて一口の大きさに切って食べるので大きいのが高い。ほとんどの国ではリンゴは皮ごと丸かじりが普通である。従ってサイズもSクラスが好まれる。
サプライチェーン、商品を小売店まで届ける仕組みが難題である。展示即売のようなイベントではなく、定番商品としていつも同じ場所に陳列をされているように物流の仕組みを作ることが必須の条件となる。
東南アジアのラオス、カンボジア、バングラデシュ、ベトナムなどの都会のスーパーはもちろん、地方の町の小さな露店のような青果店にも中国産のリンゴのフジが山積となっている。
サイズはS、SSクラスである。このような店は10kgの段ボールをひと箱仕入れれば売り切るのに何日もかかると思われるが、必要な量を地方の小さな小売店まできちんと届ける物流のルートが出来ているということである。
農産物の輸出を伸ばす、国際競争力をつけるということは販売先の小売店までの流通のコストを計算して品質と価格で競争に負けない仕組みが不可欠である。これまで国内で販売をしていたものを外国向けに販売先を変更するということではとても国際的な競争には勝てない。販売先のターゲットに焦点を当て選別の基準、物流まで全てを見直すこととなる。
農協組織は現在もこれらを日常業務としてやっているが、さらに本領を発揮する出番が来た。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】モモほ場で「モモ果実赤点病」県内で初めて確認 愛知県2024年12月27日
-
【特殊報】ブドウにシタベニハゴロモ 県内の果樹園地で初めて確認 富山県2024年12月27日
-
【注意報】かぼちゃにアブラムシ類 八重山地域で多発 沖縄県2024年12月27日
-
米輸入めぐるウルグアイ・ラウンド(UR)交渉 過度な秘密主義に閣僚も「恥」 1993年外交文書公開2024年12月27日
-
1月の野菜生育状況 さといも以外の価格 平年を上回る見込み 農水省2024年12月27日
-
(416)「温故知新」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年12月27日
-
東京23区の12月の消費者物価 生鮮食品の前年同月比は2桁増2024年12月27日
-
JA全農あきたがスマート農業研修会 農機・担い手合同は初2024年12月27日
-
【農協時論】石破新政権へ期待と懸念 地方創生自任し民主的な議論を 今尾和實・協同組合懇話会代表委員2024年12月27日
-
ブランドかんきつ「大将季」登場 銀座三越で「鹿児島の実り」開催 JA全農2024年12月27日
-
「鹿児島県産 和牛とお米のフェア」東京・大阪の飲食店舗で開催 JA全農2024年12月27日
-
【世界の食料・協同組合は今】化石補助金に対する問題意識(1)循環型社会 日本が先導を 農中総研・藤島義之氏2024年12月27日
-
【世界の食料・協同組合は今】化石補助金に対する問題意識(2)化石資源補助削減が急務に 農中総研・藤島義之氏2024年12月27日
-
【人事異動】日本農産工業(2025年4月1日付)2024年12月27日
-
TNFDを始める企業必見 農林中金・農中総研と共同セミナー開催 八千代エンジニヤリング2024年12月27日
-
「産直白書2024年版」刊行 記録的な猛暑で農業の難しさが顕著に 農業総研2024年12月27日
-
農林中金 医療メーカーのニプロとソーシャル・ローン契約 10団体とシンジケート団2024年12月27日
-
協同組合振興研究議員連盟に国会決議を要請 IYC全国実行委員会2024年12月27日
-
2025国際協同組合年全国実行委員会がSNSで情報発信2024年12月27日
-
インターナルカーボンプライシング導入 井関農機2024年12月27日