院外活動で政界再編を2013年7月29日
自民党が参議院選挙で大勝し、国会は自民党の一強時代に入った。今後3年間は、国政選挙の予定はない。だから、この状況は、今後3年の間つづくかもしれない。
国政は、自民党の意のままに、もっと実態に即していえば、内閣と自民党の執行部の意のままに行われるかもしれない。
だが、ヘンな自信を持っては困る。有権者の圧倒的な多数が自民党を支持したわけではない。政党の支持の程度を最もよく反映する比例区の選挙結果をみると、有権者の18%が自民党を支持したに過ぎない。自民党は、このことを肝に銘じ、ゆめ忘れてはならぬ。
同じ計算をすると、民主党の支持率は、僅か7%だが、それが主題ではない。
残りの82%の有権者の意見を、どのように国会に伝えて、国政に反映させるか。これが主題である。
自民党の国会議員に伝えても、執行部まで届かないらしい。それ程までに自民党の上意下達は徹底しているようだ。
そうかといって、弱小野党には、期待できない。野党を再編しよう、という人は少なくないが、2大政党にして自分が党首になりたい、という人ばかりで、わが身を犠牲にして大同団結しようという人はいない。
これでは、国会には期待できない。そうなれば、国会外での活動、つまり院外活動が、今後ますます重要になる。
◇
しかし、院外活動を誰がするのか。どんな組織がするのか。
かつては、労組が中心になっていた。だが、いまは期待できない。TPPにしても、原発にしても、労組の主張は自民党の政策に極めて近い。生協も同様である。
だから、院外活動は、新しい組織を作るしかないだろう。それに、政党がどうかかわっていくか。
◇
今後3年間の政治が、平穏に過ぎていくとは思えない。まして政府や自民党執行部の思い通りにはいかぬだろう。
消費増税を決断するかどうか、秋までに決めねばならぬ。そこで、どんな波乱が起きるか。
TPP交渉がどのように推移するか。政府の決定の如何では、国民との間に決定的な亀裂が入るだろう。それを、国会が防げるか。
◇
その他にも、重大な政治決断が控えている。
アベノミクスの破綻を、いかに早く察知するか。そうして、どう対処するか。
原発を再開するか。憲法をどうするか。沖縄は?対中、対韓関係の修復は?
これらを国会の監視に任せられるか。
◇
国会に任せられないとすれば、院外活動で国政を動かすしかない。それは、国会にとって不本意だろう。議会制民主主義の危機といってもいい。だが、それを招いたのは国会である。ことに四分五裂の野党である。
この危機を回避するには、82%の国民の意見を国会に反映させるしかない。そのためには、野党を再編するしかないし、与党を含めた政界再編しかない。
(前回 弱肉強食の時代がやってくる?)
(前々回 エジプトのクーデターで見えた食糧問題)
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