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農協に捨てるべき既得権はない2013年10月15日

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【森島 賢】

 農協は、既得権にしがみついている、という言説がある。これは、既得権を捨てよ、という主張につながる。さらに、既得権を剥奪せよ、という激しい主張になる。
 この主張は、農協の既得権は農業の発展に寄与していない、それどころか障害になっている、だから剥奪せよ、という。
 だが、それは違う。農協は、そのような既得権は持っていない。

 既得権を、既に獲得した権利、とすなおに解釈すれば、農協には既得権がある。それは、経済的弱者が協同して経済的強者の横暴に対抗する、という正義に基づく当然の権利である。
 だから、それを捨てよ、という主張は強者の不正義の主張である。強者の意向を汲んだ論者の主張である。
 剥奪せよ、と居丈高にいうのは、強者が弱者を無権利の状態にしておきたいからである。
 だが、そうはいかない。

 近代国家では、全ての国が協同組合を法認している。協同組合の権利を国家が擁護している。だから、農協の権利を剥奪せよという主張は、前近代国家に戻れという時代錯誤の主張になる。
 この権利は、天から与えられたものでもないし、権力者からの恩恵でもない。農協の先人たちが、強者との緊張関係のなかで、長い歴史を経て勝ち取った弱者の権利である。これを、むざむざと捨てるわけにはいかない。

 権利の主なものは、農協が協同して農産物を売り、肥料などの生産資材を協同して買う権利である。
 こうしたことを強者が行うと、独禁法違反になる。だが、弱者のばあいは、法律で認められている。
 政治はこうした農協活動を支援しているし、そのために、金融活動の支援や税法上の優遇をおこなっている。こうした権利も捨てるわけにはいかない。
 これらの権利を捨てよ、という主張は農協活動の否定である。

 農協を否定することは、誰の利益になるか。
 それは、経済的強者である大資本の利益である。農協がなくなれば、大資本は思うままに横暴なふるまいができる。抵抗勢力がなくなるからである。
 否定論者の口ぐせは、農協の既得権を剥奪して、大資本の企業と同じ条件で競争せよ、という。つまり、弱者も強者と同じ条件で競争せよ、という主張でなる。それはジャングルの世界である。優勝劣敗の原理がはびこる世界である。
 今後、こうした反正義が政府の規制改革会議などで、あの手この手を使って、声高に主張されるだろう。断固として排除し、弱者の権利を守らねばならない。農協は、そのためにある。


(前回 「高米価」の要求は農業者のエゴではない

(前々回 農協への不当な批判に反論する

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