【コラム・キサクな老話】稲で出来た生理帯2014年2月28日
先に書いた暖かい藁布団の原稿に入れようと思ったが、少し気が引けて省略したが、稲の活用の広さを認識してもらう事が未来の日本文化、農業に影響すると考えると恥を忍んでこの稿を発表する。前項では主として藁の活用、用途を生産資材として藁仕事と関連づけて述べた。
考えて見ると、昔の農家は日常生活は総て藁の中で埋もれていたと言っても過言にならない。先ず住居を見る。藁葺き屋根、土壁には亀裂防止の切り藁が入り、筵や畳、円座、神棚の注連縄、赤ん坊のえつこ、藁で作った玩具、飾り置物、飯櫃、鍋敷、藁布団そして飯焚きの燃料、家畜の飼葉等、総てに近い用具が藁で満たされている。そして神仏母な行事、冠婚葬祭にも欠かすことの出来ない藁で、その役が済めばこれらはやがて肥料としてる墳墓の耕地に帰るのである。しかし都市では単なる米だけの問題で美味いの不味いの高いの安いと論していればよかったのである。
さてそんな中で気がかりだったのが、女性の生理時にどんな対応をしていたか? 年に一回などではなく毎月の対策が必要である。昔幼児をえつこの入れる場合、オムツなどに回す木綿などないから、細長い川藻か海藻を乾燥して揉んで柔らかくした「もく」使用この下には茣蓙を小さく切って灰を挟みいれておけばおしっこは灰に染み込み肥料にし、ウンチは「もく」につき、子どものお尻も汚れず、もくは川で洗い干して何回も使用する。
私は婦人の使用する生理帯もきっと自給している筈と思い、それは藁の利用では無いかと想像したので、暇があれば各所の村の博物館など探してみた。そして秋田県の美里町で見付けたのである。しかし藁ではなく、稲の苗を材料にしている。丁度植え頃の水稲苗を根を含めて乾燥し、軟らかく柔らかく打って長民ひし形にし縄で紐にしていた。藁の予想は崩れたが、考えれば藁葉であった。だれがこれを発見創造したのか昔人の知恵に脱帽するだけである。稲はやっぱり万能だナー。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(123) -改正食料・農業・農村基本法(9)-2024年12月21日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (40) 【防除学習帖】第279回2024年12月21日
-
農薬の正しい使い方(13)【今さら聞けない営農情報】第279回2024年12月21日
-
【2024年を振り返る】揺れた国の基 食と農を憂う(2)あってはならぬ 米騒動 JA松本ハイランド組合長 田中均氏2024年12月20日
-
【2025年本紙新年号】石破総理インタビュー 元日に掲載 「どうする? この国の進路」2024年12月20日
-
24年産米 11月相対取引価格 60kg2万3961円 前年同月比+57%2024年12月20日
-
鳥インフルエンザ 鹿児島県で今シーズン国内15例目2024年12月20日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】「稼ぐ力」の本当の意味 「もうける」は後の方2024年12月20日
-
(415)年齢差の認識【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年12月20日
-
11月の消費者物価指数 生鮮食品の高騰続く2024年12月20日
-
鳥インフル 英サフォーク州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年12月20日
-
カレーパン販売個数でギネス世界記録に挑戦 協同組合ネット北海道2024年12月20日
-
【農協時論】農協の責務―組合員の声拾う事業運営をぜひ 元JA富里市常務理事 仲野隆三氏2024年12月20日
-
農林中金がバローホールディングスとポジティブ・インパクト・ファイナンスの契約締結2024年12月20日
-
「全農みんなの子ども料理教室」目黒区で開催 JA全農2024年12月20日
-
国際協同組合年目前 生協コラボInstagramキャンペーン開始 パルシステム神奈川2024年12月20日
-
「防災・災害に関する全国都道府県別意識調査2024」こくみん共済 coop〈全労済〉2024年12月20日
-
もったいないから生まれた「本鶏だし」発売から7か月で販売数2万8000パック突破 エスビー食品2024年12月20日
-
800m離れた場所の温度がわかる 中継機能搭載「ワイヤレス温度計」発売 シンワ測定2024年12月20日
-
「キユーピーパスタソース総選挙」1位は「あえるパスタソース たらこ」2024年12月20日