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【コラム・ここがカンジん】協同組合と「経営」2014年4月4日

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【福間莞爾(総合JA研究所主宰)】

 経営は「経営主義」などといって、協同組合では常に排斥の対象とされる。もちろん、協同組合の経営が組合員の協同活動から離れ、規模の拡大や合理化だけを進めれば、それは経営主義と批判されるべきものだ。しかし、経営はそれ自体、協同組合にとって大変重要なものだ。

 その重要な経営について、実はJAや研究者の中でもあまり深く考えられることがないように思われる。これまでの経営についての一般的な考えは、組織・事業・経営の「鼎(かなえ)論」であろう。

 JAでは多くの場合、組織・事業・経営の3つの観点からさまざまなことが説明されるが、「鼎(かなえ)論」では、組織・事業・経営のそれぞれが鼎の3本柱としてJAを支えると説明され、この3つの要素は、並列なものとしてとらえられる。
 こうした説明は、一見説得力を持つように思えるが、経営の本質を説明したものではなく、むしろ経営についての正しい認識を阻害する。この考え方からは、組織や事業と経営は対立概念になり、JAは経営体であると同時に運動体だというような説明が行われる。

 だが、組織・事業・経営はそれぞれ別なものではなく、組合員の組織活動と事業活動をトータルで運営して行くのが経営と理解すべきだ(逆に言えば、組合員の組織活動と事業活動が経営を支えているともいえる)。
 組合員の組織活動と事業活動をトータルで運営して行くのが経営というように考えれば、経営問題は協同組合やJAにとっての中心的課題である。協同組合やJAの経営者は、経営主義などと批判を受けないよう、組合員の組織活動と事業活動を経営に生かし、いかに協同組合らしい経営を行って行くかが問われる。
 それでは、協同組合らしい経営とは何を指すのか。協同組合らしい経営の内容はさまざまに考えられるが、そのキーワードは「組合員参加の経営」をいかに実現して行くかということだろう。
「組合員参加」のキーワードは、「JA綱領に」も掲げられており、組合員参加を提唱する「JAにじ」の前組合長の足立武敏氏は、星の数ほどの組合員グループづくりを進めた。だが、組合員参加はグループづくりだけに止まらない。

 経営は、一般的に「Plan・Do・See」(計画・実行・見直し、PDCAとも)のサイクルによって行われるが、JAでは、このPDCAサイクルの全般にわたって組合員参加の経営をいかに実現して行くかが重要である。経営は、協同組合やJAにとってもその生命線ともいえる存在なのだ。

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