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【コラム・ひとこと】農協改革にひとこと2014年4月15日

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【金右衛門】

 「農協改革 みえぬ道筋」という記事が日経新聞(4月6日号日曜版)に掲載されていた。
 安倍内閣による規制改革会議に農協が俎上にあがっている。日本農業の振興に農協が役立っていないという当局の認識のようだ。全中幹部が呼ばれて農協がいかに農業振興に取り組んでいるかを説明したと記事にある。むすびとして、農協をつぶすことが目的でないなら、農協が農業の成長に役立つように自らを変えさせるしかないのではないかと記者のコメントが載っていた。そのとおりだと思う。

 農協が「規制」に守られ国の保護を受けているから農村マーケットで強いと一般的には思われているのかもしれないが、実際のビジネスでは一般企業と何の違いもない。仕事の現場では農協とて自由競争の場にさらされてきた。商社や一般業者よりも地域に密着して地道に末永く農家とともに歩んできた歴史のあるのが農協だと思う。
 一時期、大手商社が農村に入り、肥料や農薬等の農業資材を持って農家を個別訪問しながら販売推進した時期があった。しかし、効率を重んずる大手商社は経費に見合った期待収益を上げられず、農村から撤退した過去もある。そのようなことは農家がみんな知っている。だから、農協職員が、保険や貯金の説明をとつとつとするのを農家は辛抱強くまじめに聞いてくれる。効率や高い安いよりも農協の長年の信用がそのようにさせるのである。
 農協正組合員は兼業農家が多く、先祖から農協とともにその土地に住んできた。兼業しながら農業を維持してゆけば地域社会を守ることにもなる。農業収入だけで家族を守るには厳しい。農業専業にはリスクがともなう。規模拡大し農業だけで生活できる農家を増やすのを農業振興というなら少し違うような気がする。その方向ならアメリカ・オーストラリアなどの大規模農家に負けてしまう。日本で生きてゆく限り安心・安全な国産の食料生産を日本の消費者は望んでいる。
 農協自らの一層の改革を続けながら、家族農業と地域社会を支え、国民の期待に応えなければならない。6月には規制改革会議による農協改革の方針が出されるという。

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