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TPPは悪政の根源2014年9月29日

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【森島 賢】

 いまの農政は、TPPを中心に据えて回っている。しかし、政府はそのことを隠している。
 政府は、農協に改革を要求しているが、その隠された目的は、TPP交渉を妥結することにある。農協はTPP反対などといって、政治に口出ししないで、経済活動に専念せよという。この要求には農協法改正という強権を見せつけている。
 なぜ隠すのか。それは、農業者や農村だけでなく、全国の多くの人びとがTPPに反対しているからである。彼らに知られて邪魔されたくないからだ。だから、陰湿な秘密交渉を続けている。
 この秘密交渉に対し、医師会や生協の関係者や、弁護士や学者たちが、国民を愚弄し憲法に違反する、として訴訟を準備している。1万人の原告団の結成を目指している。

 TPPの日米交渉は、11月4日に行われる米の中間選挙を目前にひかえて、いまは中断の状態にある。だが、日米両政府はあきらめたわけではない。
 安倍晋三首相にとって、TPPはアベノミクスの中心的な政策だし、オバマ大統領にとって、TPPは最重要な経済政策である。TPP交渉を妥結させなければ、首相も大統領も求心力を失うだろう。だから、中間選挙が終われば、さっそく本格的な交渉を再開するに違いない。

 今月初めの内閣改造は、農相の交代など、TPP交渉妥結のための体制固め、と見ることができる。
 新しい西川公也農相は、就任以後、農業・農村の所得倍増を強調している。札束で頬っぺたを叩き、TPPを容認させよう、という考えかもしれない。
 これには、梶井 功教授の厳しい批判がある。「農村所得」とは何か。いまは何円で、それを何円にするのか、を明らかにせよという。答えがないのは、内容が空疎な、言葉だけの政策だからだろう。
 その一方で、食糧自給率の向上は言わない。TPPを受け入れれば、農業が壊滅し、食糧自給率が下がり、食糧安保が危機的状況になって、全国民が反対することが分かっているからだろう。

 交渉内容を隠しているが、真っ暗闇で何も見えないわけではない。こっそりと、少しづつ小出しにして、あたりの様子を慎重にうかがっている。
 先週24日、日米秘密交渉が終わった後、甘利 明TPP担当相は「柔軟性のある案を提示した」と言った。
 これは、牛肉、豚肉の関税率を、日豪FTAで妥結した関税率よりも、さらに低くする案なのだろう。関税率をいまの4分の1以下にする案かもしれない。いずれにしろ、国会決議に違反していることは、明白である。

 こうした状況を続け、反応をみながら、所得倍増というアメと、農協法改正というムチで、反TPP運動を怯ませ、諦めるのを待っている。
 酪農をはじめ農業の現場では、TPPで苦境に陥ることを懸念している。そして、余力がある今のうちに農業をやめる、という若い農業者が出はじめている。
 高齢化や後継者不足や不耕作地の拡大が大問題だ、というが、それどころではない。農業に未来を託している若い農業者でさえ、農業を見限ろうとしている。

 これら全ての悪政の根源にTPPがある。これを取り除かぬかぎり、日本農業に未来はない。
 政府がTPPを諦めぬかぎり、日本農業に未来はない。輸入食糧が増え、食糧自給率が下がって、食糧安保は危機に陥る。
 反TPP運動を止めるわけにはいかない。


(前回 市場原理主義派が描く地獄絵

(前々回 幻想の准組合員問題

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