【コラム・農協改革にひとこと】真の狙いは預金と共済2015年3月25日
JA全中の「解体」を内容とした農協改革が実現すれば、その突破口が開かれる。既得権の打破という最大の課題である。「日経新聞」2月28日号の「大機 小機」のコラム記事である。総理大臣の施政方針演説で明確に述べられているとも書く。これが一般経済人の意識とすれば情けない。
JA全中の業務は、政府・行政を代弁していると感じたことはあっても既得権の権化と思ったことはない。また、「これからは農家の皆さん、そして地域の農協の皆さんが主役である」と総理大臣が改めて国会で述べた。この言葉は、JA全中をはじめ全国連が長年言い続けてきたことであり、農家所得の向上を目指したことも当然である。
今の政府にとってJA全中が、邪魔者になってきたとしたら経過は判りやすい。佐賀の乱で、自民党の公認候補が、JAの押す無所属候補に知事選で敗れた。JA全中はTPPにも反対している。しかし、総理大臣や官邸の感情論だけからJA全中「解体」論が出てきたのではないと思う。背後には、アメリカの多国籍巨大企業群の意向がちらつく。彼らは、アメリカ政府を動かし、日本に圧力をかけながら利権を確保しようとする。新自由主義的な考え方の影響だろう。法律を作らせ合法的にことを進めようとする。
彼らの真の狙いは豊富な農協預金であり、JA共済であろう。また、小規模兼業農家を解体し大規模農場にし、低賃金、時間労働者に貶めることのような気がする。アメリカの伝統的農家がそのように解体されつつある。彼らは安い食料を望む低所得者層や無関心な消費者を見方に付ける。ジャーリスト堤未果氏のアメリカレポートに詳しい。
「農協改革」「安い輸入食料」「岩盤にドリル」等の甘い言葉に我々は惑わされてはならない。安全・安心な国産食料生産に誇りを持ち、日本の消費者に正しい情報発信を続けるべきだ。地方創生の中核になるのは間違いなく農協組織だからだ。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日