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【コラム・地方創生にひとこと】文化的コンテンツの発掘を2015年5月13日

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【金右衛門】

 先月24日に文化庁は「日本遺産」として18か所を認定した。地域の歴史や文化をアピールして地方の活性化をねらう新事業である。2020年までに100か所認定の予定という。そこで四国遍路が日本遺産に認定された。空海(弘法大師)が修行した寺院四国88ヶ所を巡礼すれば、ご利益があると江戸時代になって庶民の間に流行した。現代は、宗教心よりも自分探しとか癒しのため、四国遍路に行く人が多いようだ。

 その「写し」ミニ版が新潟県佐渡島にある。「佐渡88ヶ所霊場めぐり」である。観光バス1台に30人、東京からこれに参加した。四国の20分の一の面積しかないが、寺院の数300は超える。内容では見劣りしない。1番は佐渡・国分寺である。聖武天皇の時代に建立された(741年)ともいわれ何度かの被災にあったが、本尊の薬師仏は今も存在し拝観させてもらった。国宝もあり歴史的価値がある。14番目は観音寺。佐渡相川西の最果ての地、お寺には小倉実起とその息子のお墓がある。住職の案内で寺の背後、山の中腹の朽ち果てた墓石を見せてもらった。小倉実起は京都で天皇に漢詩や詩を教える公家・大納言、当代一級の知識人だった。実起の娘が時の霊元天皇の長男一宮を生んだ。1681年、孫が皇位継承できないことに不服を申し出たため、島流しで佐渡に送られた。佐渡島では自由が保障され、島民と交流し詩歌を教えたことがその後の佐渡文化の向上に大いに寄与した。
 今年は、1番から22番寺までの巡礼旅行スケジュール。佐渡88ヶ所の寺をめぐるには4年で満願になる。地方に観光客を呼ぶには、興味の湧く地域の文化的コンテンツの発掘も必要だろう。

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