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協同組合間の競争2015年6月1日

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【森島 賢】

 競争は是か非か、という議論がある。これは、ほとんど意味がない。
 競争に至上な価値をおく、という市場原理主義には問題がある。その結果、貧富の格差が拡大して、これがいまの社会の混乱の根源になっている。
 だからといって、市場競争を全面的に否定することにも問題がある。それでは、社会の進歩がなくなり、社会が停滞する。
 このように、いったい、競争は是なのか非なのか、といって結論を迫っても無意味なことである。一部で競争を否定し、他の一部で肯定する、というしかない。それが協同組合の考えである。

 協同組合の競争は、スポーツでいえば、チームごとに争う団体競技だ、といっているのは太田原高昭北海道大学名誉教授である。
 同じチームのなかで、選手たちが互いに競争し、強い選手が弱い相手を倒そうなどと考えたのでは、チーム全体の力が弱くなる。そうではなくて、強い選手が弱い選手を強くしようと考えれば、チーム全体の力が強くなる。
 それだけでは不十分で、ときどき他のチームと試合をして、チームごとに優劣を決めることも大事だ。それは相手チームを倒すためではない。各チームが互いに切磋琢磨して、さらに強くなり、全体が強くなるためである。

 協同組合も同じだ。農協も協同組合だから同じだ。
 単位農協の内部では、競争して弱い人を排除することはない。弱い人が1人でもいれば、みんなで励まし合い、助け合う。「万人は一人のために」である。そうして組合全体の力を強めて市場競争にのぞむ。
 市場競争の相手は、会社企業でもあるし、他の農協でもある。そこで力を磨きあい、力を強めあう。そうして高品質で安価な農産物を国民に供給し、国民から支持される。それは社会の進歩である。

 農協が市場競争を否定したら、どうなるか。
 農協は、農産物の価格をつり上げるための談合組織になってしまう。それでは農業者は、高品質で安価な農産物を国民に供給しよう、という動機を失うし、意欲もなくなる。それでは、社会の進歩がなくなる。
 また、国民は不当に高価な農産物しか買えなくなり、国民の支持を失う。

 競争は否定したい、と考えるのは農協人だけではない。多くの人も、競争のない社会が理想だ、と考える。競争は、必ずしも努力に報いない。努力した人が敗者になることもある。そして、不公正な格差が生まれる。だから、競争を否定する。
 しかし、それでは社会の進歩はなくなる。
 人類は、競争の否定と社会の進歩を両立させる社会組織を、未だに見つけ出していない、といってもいい。そこで、比較的に公正な競争の場として作ったのが市場である。
 市場は、分業の歴史が始まって以来、連綿と続いている。しかし、市場は競争と不可分である。競争の否定という理想からは、ほど遠い。

 協同組合がめざす、組合内での競争の否定と、組合間での競争の肯定、という社会組織は、必ずしも理想ではない。しかし、理想に最も近い。それが、人類社会の歴史の中での、現在の到達点である。つまり、協同組合は人類が叡智を集めて考え付いた最先端の社会組織である。
 いまの政府は歴史に逆らって、協同組合を否定しようとしている。昨年夏からの激しい農協攻撃は、ここに根ざしている。断固として拒否しなければならない。

(前回 民主と維新の合同勉強会に期待

(前々回 理念なき民主党農政

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