【コラム・目明き千人】良いものは高く売っている 農協の共同販売2015年10月20日
農協の共同販売は農家が苦労をして商品価値の高い野菜や果実を作ってもその他の物とプールをして販売するので安くなってしまう。良いものを作った農家は農協には出さずに自分で販売をする。というのが農協の販売事業への批判となっている。
農協の販売事業の仕組みは次のとおりである。野菜、果実は品目別に農水省の標準規格がある。品質によって秀・優・良、サイズをL・M・S、品目によって更に LL、SSと15通りの規格である。農産物は地域、その年の天候によって同じように栽培をしても年によって品質、サイズが違ってくるので、各産地はその年の出荷の初めに具体的な規格の適用について皆で協議をする。これを「目揃え会」という。農協によってはこの目揃会に買い手も加えて販促をしている。果実は糖度も規格の一つとしている産地が多い。
農家は、収穫をしたものをそのまま選果場に持ってきて個人別、規格別に選果をして規格別数量を記録しておく。選別は糖度も含めて現在は全部コンピューターである。
規格別に販売をして、精算は規格別の販売単価に出荷をした数量を掛けたものが農家の手取りとなる。秀品を出した人は優・良を出した人よりも当然手取りは多い。
プールをするのは、同じ規格でも複数の買い手に販売し、更に販売日によっての需給の
違いから価格変動が大きいので、販売先、販売の期間を品目の特性や時期によって一定期間プールをして価格変動のリスクを最小限にして農家の手取りを多くする方法をとっている。
販売先が全国規模で、スーパーから食品産業まで多様な取引先にシーズンを通して販売をするためにはこのような共同販売方式が農家の手取り額を多くする方法である。
生鮮食料品の小売段階の販売の85%以上が量販店である。チェーン方式の大型店は各店の仕入れも本部が一括して行なっており、納品は本部のオーダーによって規格品をパック、袋詰め、POSのバーコードを貼って店毎に各品目を揃えて開店時間に合わせて早朝、遅くても6,7時頃までには配達しなくてはならない。このために納入業者は365日24時間の作業となっている。マーケッテイングの基本は"誰に、何を、どのように売るか"である。沖縄から北海道産のあらゆる品目を年間を通して供給する仕組を、納入業者として農協は各組織が分担をして作り上げている。
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