次はTPPの反批准運動だ2015年10月26日
15日の全国農協大会は、反TPP運動を継続・強化する特別決議を採択して終わった。
この特別決議は、最後の部分で「(TPPの)大筋合意は、まだ運動の通過点に過ぎず、今後行われる国会批准に向け…引き続き運動を展開していく。」と、高らかに宣言している。
反批准運動の力強い宣言である。
反批准運動の目的は、まずは国会での充分な審議である。そして最終的には批准の阻止である。
大筋合意は、政府が国民に隠し、国会に押し隠して、こそこそと陰密に行ったものものである。だから、政府は国会審議のなかで、国民と国会に対して、その内容を充分に説明する義務がある。
この国会審議のなかで、TPPは農業を壊滅させるだけでなく、日本の進路を誤るものであることが詳細に暴露されるだろう。その結果、国会は批准を拒否する。
これが、反批准運動の道筋だろう。
◇
まずは国会での充分な審議が必要だ。だが政府は不様に逃げ回っている。野党の要求にもかかわらず、臨時国会を開こうとしない。来年の通常国会まで審議しないつもりだ。
来年の通常国会でも、7月の参議院選挙が終わるまで、審議を始めないつもりかも知れない。だが、その間じゅう、合意内容への怒りは、全国で荒れ狂うことになる。
あるいは、もしかすると、強引な政府は、審議を始め、早めに審議を打ち切り、批准を行うかもしれない。いまから、それに備えよう。
かりに、国会で批准されても、それで反TPP運動を終えることはない。国政選挙でTPP推進派の政府から、TPP反対派の政府に政権を代えるだろう。
◇
つぎの国政選挙は、8か月後の参議院選挙である。ここで国民の反TPPの意志が、誰の目にも明白に国会に反映される。その結果は、誰もが否定できなくなる。
その前に、国会での批准が行われるかも知れない。そうなれば、国会議員の誰が反対投票し、誰が賛成投票したかが公表される。もちろん、参議院議員で、8か月後に任期切れになり、つぎの選挙で再選をねらう議員の、誰が反対投票し、誰が賛成投票したかも分かる。
◇
このコラムでは、参議院と衆議院の投票結果を分かりやすく示す予定だ。今回は、間近かに迫っている参院選を考慮して、参議院の現議員の名簿を示しておこう。この名簿のなかで誰が批准に反対するか、賛成するか。そうして、つぎの選挙で再選されるか。
上の表は、参議院の現議員の名簿を、選挙区別、与野党別に分け、任期切れ議員と非任期切れ議員とに分けて示した。
このうち、特に任期切れ議員を注目しよう。TPPについて、今後どんな言動をするか。批准のときに、反対するか、賛成するか、それとも棄権や欠席をするか、刮目して監視しよう。そうして、次の選挙のときの参考にしよう。
◇
国会の批准は、衆議院が優越する制度になっている。つまり、衆議院で可決したばあい、参議院で否決しても、両議院の協議会をへて、衆議院の可決の議決が国会の議決になる。参議院にとって屈辱的な制度である。
参議院議員は、全員が国民から選ばれた良識ある人たちである。反TPPを唱える議員が多い。その政治信念を曲げる議員はいないだろう。そこに期待しよう。
ことに与党の反TPPを唱える議員に注目しよう。彼らが、所属政党のクビキをはねのけ、自分の反TPPの政治信念にしたがって、堂々と批准反対の投票をするかどうか。せめて、棄権や欠席をするかどうか。それとも、信念を捨て、恥を捨てて賛成投票するか。厳しく監視しよう。それは、次の選挙で重要な参考になる。
そうして、全国農協大会の決議にのっとり、反批准運動を展開しよう。そして、今度の参議院選挙で全国の国民の怒りと共に、農業者の怒りをブチまけよう。多くの反TPPの議員を当選させ、傲慢な政府を震撼させようではないか。
(前回 【寄稿】JAグループの政治姿勢を問い糾す)
(前々回 TPP大筋合意に怒りをブチまけよう)
(「正義派の農政論」に対するご意見・ご感想をお寄せください。コチラのお問い合わせフォームより、お願いいたします。)
重要な記事
最新の記事
-
鳥インフル 国内47例目 千葉県で確認2025年1月30日
-
初動5年で農業の構造改革 28の目標掲げ毎年検証 次期基本計画2025年1月30日
-
営農管理システム「Z-GIS」と「レイミーのAI病害虫雑草診断」アプリが4月に連携開始 地域全体を簡単把握、現場データ管理がより手軽に JA全農と日本農薬(1)2025年1月30日
-
営農管理システム「Z-GIS」と「レイミーのAI病害虫雑草診断」アプリが4月に連携開始 地域全体を簡単把握、現場データ管理がより手軽に JA全農と日本農薬(2)2025年1月30日
-
2025年も切り花の品薄単価高が続く【花づくりの現場から 宇田明】第52回2025年1月30日
-
何かと言えば搗いた餅【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第326回2025年1月30日
-
雑草防除で成果保証型サービス開始 節水型乾田直は栽培を普及へ BASFジャパン2025年1月30日
-
担い手集め地域農業守る 労働力支援協議会が発足 JAみなみ筑後2025年1月30日
-
農林中金「アグリウェブ」に農業特化型生成AIを提供開始 きゅうりトマトなすび2025年1月30日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」神奈川県で幻の果実「湘南ゴールド」を収穫 JAタウン2025年1月30日
-
JAしまね「ファミマフードドライブ」を通じて食品寄贈 地域支援拡大の仕組みを構築2025年1月30日
-
「北海道スマートフードチェーンプロジェクト事業化戦略会議2025」開催 農研機構2025年1月30日
-
今年いちばん「うまい米」第11回「お米番付」最優秀賞など発表 八代目儀兵衛2025年1月30日
-
茨城県のブランド豚肉を堪能「常陸の輝きメニューフェア」2月1日から県内のレストランで開催2025年1月30日
-
「日本さつまいもサミット」今年度の特選生産者8組が決定2025年1月30日
-
【人事異動】協友アグリ(1月29日付)2025年1月30日
-
【人事異動】東邦化学工業(2月1日付)2025年1月30日
-
【役員人事】クミアイ化学工業(1月29日付)2025年1月30日
-
彦摩呂が驚く 南アルプス市のおいしいもの「タベサキ」新番組スタート2025年1月30日
-
農業課題解決と技術革新へ 広沢技術振興財団ものづくり技術助成事業に採択 AGRIST2025年1月30日