【コラム・目明き千人】「日本にもトランプ氏が大勢いる」2016年3月17日
日本のトランプ氏はテレビ映りを意識した派手なパフォーマンスもなく、自家用のジェット機も持てず本物のトランプ氏ほど目立たないがやっていること、やろうとしていることはトランプ氏と同類かそれ以上である。農業関係だけを見ても次のようなものだ。
農協改革で「全国農協中央会」を農協組織から切り離して一般の社団法人へ、准組合員制度はおかしいので止めさせる。信用、共済事業は切り離す。販売、購買の事業も今の事業方式は農家の役に立っていないので株式会社にして競争させる。
TPPはアメリカに代って大筋合意までの主役を演じた大臣は国会での法案の審議前に辞任したが責任も追及されない。アメリカの大統領選挙でTPPの成立が危ぶまれるのに政府は早々と農業対策の予算を組んで反対を封じている。
日本の農業を国際的な競争力のある産業にするために原料を含めて外国から安い農産物の輸入を拡大する。国内のマーケットへは外国の安い商品と原料が来るので消費者も業界も困らない。競争力のない家族農業は土地を売って農業から撤退をしてくれ。若い人は輸出が伸びる工場で働き、高齢者は農協が地域の活性化、福祉事業を引き受けると言っているのでそちらへ行ってくれ。
日本の農業は新規参入の企業が大規模、最新のIT技術と近代的な経営で高品質農産物を生産、高価格で輸出をして攻めの農業へと岩盤にドリルで穴をあける改革を行う。政権与党の農業部会の会長という立場の人が着任早々「農林中央金庫はいらない」の発言。発言の撤回をするかと思ったら得々としていらない理由を解説。
◇ ◇
アジアの各国がASEANを中心に政治、経済で共同して発展を模索する中で隣の国とは首脳会談も出来ず太平洋の向こうの国ばかり見ている。
アメリカは大統領候補が一人目立っているが日本はトランプ氏が大勢いる。アメリカは最終場面ではまさか大統領に選ぶことはなかろうが、日本は選挙の度に出てきて当選している。夏に予定をされている選挙にもトランプ氏の同類が大勢手を挙げている。アメリカの大統領選挙の評論も結構だが日本のトランプ氏を見分けることが当面の課題である。
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