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【大相撲と寺院にひとこと】地方社会の足腰鍛えよ2016年5月11日

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【金右衛門】

 大相撲5月場所が始まっている。平成28年初場所で、大関琴奨菊が優勝して、10年ぶりに日本人力士の優勝額が国技館に掲載される。

 琴奨菊が所属する相撲部屋は「佐渡が嶽部屋」である。その元祖は佐渡ヶ嶽猪之助という。江戸時代に活躍した佐渡島出身の力士である。1755年没、260年前である。菩提寺が佐渡市両津の歌代という地域の真言宗・安照寺にある。佐渡奉行所付の絵師が江戸当時の力士の雄姿を描いたものもある。頭にちょんまげを結った髪と浴衣姿は今の力士姿と同じである。
 ここの住職は相撲好きで琴奨菊関の優勝後の結婚式に招かれ、得意げに力士と一緒に写った写真が寺のPRに一役買っている。境内には幼稚園と共に土俵もある。若い頃の琴奨菊を含む佐渡ヶ嶽部屋の力士一行が佐渡に来て稽古している写真がある。島の小さな観光資源の一つである。
 島の若者は都会へ出て行き、お墓を都会に移す人も多く、檀家300人が寺院の健全経営と言われるも人口減少で島のお寺の"経営"は四苦八苦。住職さんは観光ガイドなどのアルバイトにも出ている。神社仏閣は地方文化の中心だったし農家・庶民の集う場所でもあった。
 檀家が減少する傍ら住職は学校の先生や役場の職員として生活費を得て地方文化を守ってきたのはまだ良い時代だった。政経分離のもとに行政からも寺院は見放され、無住の寺も多くなった。地方創生は、神社仏閣の設備の更新・改築からスタートしてはどうだろうか。需要は無限にある。地域の大工も育つ。地方社会の足元・足腰を鍛えないと集落や農業の成長もおぼつかない。

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