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文化はローカル技術 文明はグローバル技術2016年9月7日

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【加藤一郎(前全農代表理事専務)】

NPO植物工場研究会が第100回記念勉強会開催

 NPO植物工場研究会(千葉大学柏の葉キャンパス)が主催する勉強会が2009年に始まり今年7月に100回の節目を迎え、三井ガーデンホテル柏の葉で「私の考える21世紀の植物工場」をテーマに3人の講師による記念講演が行われた。
 古在豊樹同研究会理事長(元千葉大学学長)の講演は植物工場の技術的課題のみならず、文化・文明論にも言及され,氏の父である哲学者古在由重氏の血統を彷彿させる古在哲学をも語られた。私は本コラムのタイトル「先の先」の発想そのものと感じ内容をお伝えしたい。

◆施設園芸の環境制御の高度化・大規模化が急務

 
 篠原日本施設園芸協会会長は「同協会が目指す施設園芸の近未来像」として講演された。施設園芸は温度・湿度・光等環境を制御できる装置を備えた施設の比率を高めて生産性を向上させる必要があり、1㌶規模の施設が企業的経営の最低ラインと考えるべきと講演された。
 丸尾達千葉大学教授が「オリンピックイヤーにおける植物工場産業のあるべき姿」として基幹的農業従事者の減少と高齢化に対応して施設園芸の大型化・集積化が急務であり、海外勢との競争が激化する中で産官学(施設・設備・種苗)が連携した技術開発、人材育成が必要であるとした。また大規模人工光型植物工場の次世代モデルを東京湾岸エリアに設置し、日本の野菜生産技術を世界にアピールする場としたいと語られた。


◆2050年の植物工場の姿
 
 古在理事長は「私のイメージする2025年と2050年の植物工場の姿」として講演された。氏は1970年に「温室環境のコンピュータ・シミュレーション」で学位論文をとって以降、世界初の英文による植物工場に関する著書の出版、論文等を発表し植物工場の研究・実践分野で国際的にも先鞭をつけ、今や人工光型植物工場は米国、オランダ、中国でビックプロジェクトが進行するなど活況を呈し、栽培技術、経営ノウハウも国際競争の時代に突入している。
 氏は「私の研究論文は次世代人類へのお土産であり、30年後~50年後のとらえ方は自己の生き方とその時代の関わり方に関連すると語り、文明(シビライゼーション)は都市で形成されるゆえに、地域性が無く、拡大、成長性、駆逐性を有し、また文明が文化を駆逐する事例でもあるグローバリゼーションは世界を均一化し、不安定化する傾向」をも指摘された。
 「文化(カルチャー)とは農耕(アグリカルチャー)を基礎として形成されるがゆえに地域性(気候、景観、歴史、社会構造、生活の営み)に影響される。文明は、国・地域の文化の進歩をサポートするために導入する思想が必要である。技術には、文化に根差すローカル技術と文明に根差すグローバル技術に大別される。農業・食料・環境・資源問題は、地域的・文化的なローカル技術を必要とするが、その進展にはグルーバル技術の導入が必要である」とされた。
 

◆大規模化だけが将来方向なのか
 
 私は施設園芸のみならず農業生産の各分野でのコスト削減のために大規模化、専業化は方向性としては道筋とは思うが、我が国の農業の大層をなす兼業農家は絶滅危惧種となるのか。その時の地域社会はどうなるのであろうか。都市への集中と農村との格差はますます拡大するのではないか。このことが我が国の望むべき方向性なのかの疑問が払拭できず、古在理事長に「大規模化だけが将来方向なのか」と質問をした。
 氏は「1960年台にコンピュータの50年後の将来予測を問えば、大規模化が答えであった。2010年代には確かに大規模化により処理能力が当時と比べて1兆倍になった。しかし、小さなメモリーチップ(32GB320億字記憶)が価格3000円になり、小さいスマホの普及をだれが予測できただろうか。2050年に向けて社会は多層化、知能化、分散化、ネットワーク化が進展し、ライフスタイル変革、インフラ変革が起こる。こういった時代環境の変化のもと環境制御技術を利用した植物工場は大規模化だけではなく、兼業農家が取組可能な小型でも効率的な植物工場が発展する可能性がある」と答えられた。
 家族農業、兼業農家も地域性に影響を受ける農耕文化の特徴を活かし、伝承されているローカル技術を活かし、時代の変化に対応するグローバル技術、ネットワーク化の利用をどう取り込むかが、地域再生の鍵となると私は思う。

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