人づくりで揺るぎない協同活動を2016年11月1日
前回のコラムでは「組合員がお客になったら組織は終わり。組合員が役割を分担してお互い様で運営していくことが大切で、そのためには何よりも世話役やリーダーが必要である」。と書いた。今回は当組合の人づくりへの取り組みの一端を書いてみようと思う。ご批判等いただければ幸いです。
組織の強さは主体力の度合いで決まり、であることは言を俟たない。このことは協同活動によって自己の成長を促すための「思い」をいくつ作れるか、主体力を高めるためにどうあるべきなのかという問いに通じている。
JAの活動すべてが「協同組合原則」に示す学習活動であり、多くの活動を台本にして一人一人が役作りをし、協同という舞台で主役を演じ、明日の松本ハイランドを造って欲しいとの思いでの取り組みである。
◆夢あわせ大学
平成26年度よりそれぞれ単独で運営していた学びの機能、「若妻大学・はつらつ大学・組合員セミナー・人づくり塾・職員セミナー」に加え、新たに協同活動みらい塾の開塾を契機としてこれらを「大学」としてまとめ、協同組合としての人づくりの姿勢を明確にした。「JA松本ハイランド夢あわせ大学」の開学である。
生涯教育の場としての役割はもとより、学習活動を通じて地域のリーダーを担う人材を育成し「元気な農業・農村、JA」を次代につなげていきたいとの思いである。
JAにかかわるすべての人たちが有機的に絡み合うための学びの仕組みとした。協同という土壌をふかふかの土にするための有機質とし期待を込めている。若妻大学等これまでの大学は夢あわせ大学の学部としての位置づけということになる。
少し紹介したい。
◆若妻大学
「若妻大学」は婦人と若者が集まらない農協に未来はないという危機感から生まれた。昭和47年のことである。各地で「女性大学」華やかなりしだが、老舗中の老舗だ。
この大学だけは3年間という時間をかけて卒業を迎える。これまで数多くの人材を輩出し、女性理事はもとより、地域であらゆる分野においてリーダーとして活躍いただいている。
当時この大学を開いた先人の卓越した先見性に頭が下がる。
◆協同活動みらい塾
「協同活動みらい塾」は組合員のための塾。「家族」と地域との距離が変化している。結果「個」がすべてに優越し、地域のコミュニティー力の低下が言われてずいぶん時間が経過したような気もする。それと同時に熱い思いを語り、人の心をつかむ人物を輩出しにくくなっていることも事実である。
地域を元気にするためには、「地域を引っ張る人材を育てることと、地域がまとまっていくことが不可欠」との思いに立ち、平成26年度開塾し3期目を迎えている。
統一テーマは「想いを言葉に、言葉を形に」。
各支所運営委員会の推薦がないと入塾できない。各支所男女一名が基本。ワークショップ形式で、塾生の暮らす地域へ入りよい取り組みを学ぶ仕組み。こうすることによって地域に新しい風が起きると期待している。同時に塾生同士のネットワークが広がることで面的な効果も期待している。
◆人づくり塾
職員を対象とした「人づくり塾」は平成17年スタートし12年目を迎えた。これまでに130名余が学んだ。
内容は「サービス・コミュニケーション論」「サービス・マーケティング論」「チーム・マネジメント論」「顧客管理」「リーダーシップ」など多岐に及ぶ。
いつでも役立つ人材の層を厚くしておくことは、一朝一夕にはできないこと。職員がクリエイティブになれるよう経営層が意識的に取り組みをすすめることが、組合員から選ばれる職員を創っていくことになる。実行できる職員、やり切る職員、現場を変えていく職員、思いを持った職員の層を厚くしたいものである。
経営トップの人づくりに対するパッションとミドル層が燃えることで化学変化が起きればと期待している。
※ ※ ※
JAの活動すべてが「協同組合原則」に示す学習活動であり、この活動を通じて強い結合体が形成されなければならない。
組合員と役職員の学習活動が相互の共感、共鳴を呼び起こし揺るぎのない協同活動が実践されていけば、いわれなき攻撃を迎え撃つことができる、との思いで信州のゆく秋を満喫している。
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】JA全農(2025年1月1日付)2024年11月21日
-
【地域を診る】調査なくして政策なし 統計数字の落とし穴 京都橘大学教授 岡田知弘氏2024年11月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】国家戦略の欠如2024年11月21日
-
加藤一二三さんの詰め将棋連載がギネス世界記録に認定 『家の光』に65年62日掲載2024年11月21日
-
地域の活性化で「酪農危機」突破を 全農酪農経営体験発表会2024年11月21日
-
全農いわて 24年産米仮渡金(JA概算金)、追加支払い2000円 「販売環境好転、生産者に還元」2024年11月21日
-
鳥インフル ポーランドからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
鳥インフル カナダからの生きた家きん、家きん肉等の輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
JAあつぎとJAいちかわが連携協定 都市近郊農協同士 特産物販売や人的交流でタッグ2024年11月21日
-
どぶろくから酒、ビールへ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第317回2024年11月21日
-
JA三井ストラテジックパートナーズが営業開始 パートナー戦略を加速 JA三井リース2024年11月21日
-
【役員人事】協友アグリ(1月29日付)2024年11月21日
-
畜産から生まれる電気 発電所からリアルタイム配信 パルシステム東京2024年11月21日
-
積寒地でもスニーカーの歩きやすさ 防寒ブーツ「モントレ MB-799」発売 アキレス2024年11月21日
-
滋賀県「女性農業者学びのミニ講座」刈払機の使い方とメンテナンスを伝授 農機具王2024年11月21日
-
オーガニック日本茶を増やす「Ochanowa」有機JAS認証を取得 マイファーム2024年11月21日
-
11月29日「いい肉を当てよう 近江牛ガチャ」初開催 ここ滋賀2024年11月21日
-
「紅まどんな」解禁 愛媛県産かんきつ3品種「紅コレクション」各地でコラボ開始2024年11月21日
-
ベトナム南部における販売協力 トーモク2024年11月21日
-
有機EL発光材料の量産体制構築へ Kyuluxと資本業務提携契約を締結 日本曹達2024年11月21日