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TPPが発効されるかどうかは米国大統領就任後1年1ヶ月が期限2016年11月13日

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日本時間11月9日、米国時間11月8日夜の米国のロビーイストとの電話会議の雰囲気はこれが本当のカオス(混沌・混乱)状態なのかと思うレベル。それはそうだろう、ロビーイストの何十年にもわたる人脈・経験が何の意味ももたない一日だったわけだから。
共和党の議員達はトランプ氏が何を考えているのかは全くシェアされておらず理解もしていない。ロビーイストへのクライアントからの問い合わせに答えるすべもない。

トランプ大統領MICHAEL VADON提供

◆自由貿易から保護主義へ立ち戻る米国

 皆気を取り直してTPPに関しての議論に入った。ルール上はTPP参加12カ国の署名から2年以内にすべての参加12カ国の国内手続きを終了させなければ協定は発効されないことになっている。もし2年以内に手続きが完了できない場合にはGDP総計の85%を占める6カ国以上の国内手続きが完了すれば発効されるとの付帯条件がついている。
 米国は60.4%を占めておりTPPが協定として発効されるには、米国議会の承認が必要である。オバマ現大統領にはもうそのパワーはないと判断するのが妥当であろう。
 TPP反対強硬者トランプ次期大統領、流れが自由貿易主義(共和党は本来この思想)から保護貿易主義に立ち戻ってしまう米国が参加国グループから離脱するのを食い止めるには相当なエネルギーが必要と考える。
 米国・ニュージーランドを除くTPP参加国と日本との間にはすでにFTA(自由貿易協定)・EPA(経済連携協定)が発効済み、 「TPPは日本と米国の貿易協定交渉」と呼ばれてきた所以はここにある。
 現在考えられるオプションは2つのみ。
(1)米国のTPP離脱
(2)今までの合意交渉内容白紙撤回を条件に米国が大統領諮問委員会を発足、新通商代表部を設置、議会協議を1月より開始1年以内に結論(期限ギリギリ)

◆注目は外交ブレインと議会指導者

 現在のトランプ氏にはNAFTAを含めた地域協定は眼中になく、二国間協議での米国側最大利益獲得に向けた交渉を主導するであろう、100日ジンクス・ルールである大統領就任後100日以内での方針決定・発表が鍵。特に日米に関しては国家安全保障と農産物・知的財産権・競争政策・人とを絡めた独自色の強い交渉となる(Most likely: 恐らく)。
 今後注目すべきは指名も含め外交ブレインと議会指導者(幹部)の言動であってマスコミ・メディアの社説ではない。

◆日本はどうする?

 仲間のロビーイストからの挑戦は、「今はもうTPPの利益・不利益を論じている場合ではない、日本は農業の保護を今後も継続するか、それとも戦える農業にするために今から更に戦略を強化するか? 米国もANZもEUも農業組織・団体が戦うロビー母体であって政府はその支援者、日本はどうする?どうありたい?」
 次回の会議もまた長引くだろう。

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