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日本にも小トランプ氏が2017年1月30日

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【原田 康】

漢字では小泉進次郎、カタカナでルビを振ると"トランプ"。共通するのは大統領と首相を狙っていることで、抵抗勢力を作り上げマスコミ受けのする言動で派手に振舞い人気を集めることだ。アメリカの方が一足早く大統領を射止めた。
両者の違いは、アメリカのトランプ氏は不動産業という素人にはうかがい知れない業界で文字どおりのアメリカン・ドリームの億万長者となり、大統領選挙の費用を全部個人資産でやった。一方、日本の小トランプ氏は同じ海千山千の人が集まるところでもこちらは政治の世界でオヤジの地盤を貰った二世のボンボン。政治はカネと票が全ての世界であり財産がなければスポンサーが寄ってくる。票はマスコミを利用して人気者となり浮動票を集める。
 小泉氏のターゲットは首相であるが当面の目標は自民党でのポストだ。マスコミの使い方はオヤジさんに倣って抵抗勢力を作ってこれを叩く方法を取り入れた。農業協同組合を解体することで日本の農業が国際競争力のある産業に発展をして農家の収入も増える、という戦法である。
 安部内閣の規制改革推進会議の農業WG座長も同類項で、農協改革の提言を出しているので千載一隅のチャンスと派手にやりだした。農家や農協に足を延ばし、現状に不満を持っている人を見付けて農協が諸悪の根源とする意見に誘導をしてマスコミ向けのパフォーマンスで票を稼ぐ。生産資材のメーカーや商社等の業界には農協や全農がいると儲けられないので邪魔に思っていてもこれまで手が出せなかった業界が小トランプ氏を応援してスポンサーに手を挙げた。
 これでカネと票の準備が出来た。農協批判をもっと具体的に全農の解体にエスカレートした理由が判る。全農の生産資材が狙いだ。肥料や農薬、農機など具体的な品目をやり玉に挙げている。一方で販売事業については委託と買取りを上げている程度だ。国産の農産物の販売をやるよりも外国から農産物を輸入するビジネスが儲かる。特に家畜の飼料のトウモロコシ、大豆、小麦はほとんどがアメリカ等からの輸入であるので、原料穀物の輸入に加えて、肉類、野菜、果実の輸入の両方がビジネスとなっている。日本の農産物の輸出はビジネスとしてうま味がないので全農がやっていても邪魔にならない。
 農業、農協が実際に何をしているのかを知らない学識経験者をうまく使い、トランプ氏とオヤジさんの手法をまねて首相の座を狙う「小泉劇場」という安物芝居をしばらく高みの見物で楽しめそうだ。

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