【コラム・消費者の目】心動かす 種子の力2017年6月13日
今年はトマトの苗づくりに挑戦しました。ゴールデンウイークに植え付けできるように逆算して、播種を3月上旬に決めました。友人からもらった紫や黒い実がなるという大玉のトマト4品種と、赤とオレンジのミニトマト2品種を播種しましたが、温室も温床も使わないで発芽するのか、発芽後もちゃんと育つのか正直ドキドキでした。
◇ ◇
64穴の育苗トレイの穴に1粒ずつ播種し、リビングの窓際に置きました。我が家は集合住宅なので、エアコンをかければ十分暖かく、トマトの発芽に必要な温度を保てると踏んだからです。早いものは1週間足らずで発芽が始まり、10日ほどでほぼすべての品種が発芽しました。私は見事に発芽したトマトの芽を眺めながら、悦に入っていました。しかし、3週間目に悲劇が起きました。
◇ ◇
我が家の犬が窓際のソファーで遊んでいるうちにクッションを蹴飛ばしてしまい、そのクッションが育苗トレイの上に落ちてしまったのです。外出中で気づくのが遅かったため、苗は全部だめになってしまいました。ショックでしたが、悪いのは自分自身。気持ちを奮い起こして播き直しました。ポット移植後の育苗もうまくいき、約1か月遅れで無事トマトの定植を終えることができました。
◇ ◇
種から育てたことで、種から双葉、本葉へと植物が大きく変化するところを目の当たりにし、種の持っている力に魅了されてしまいました。一粒万倍という言葉がありますが、ゴマ粒ほどのトマトの種からいったい何キロのトマトが実るのでしょう。
効率を考えると苗を買ってきた方が手っ取り早いのですが、自分で種まきして育てた苗から収穫したトマトは格別だと思います。どんな実がなるのか、どんな味なのか今から楽しみです。
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