ミャンマーの農村事情2017年11月17日
今JICAの農産物流通の調査でミャンマーに来ています。ミャンマーは乾季に入り、首都ネピドーでも朝晩は涼しいのですが昼間は30度を超えます。
ミャンマーの略史=ビルマはイギリスの植民地で1942年に日本軍が占領、映画の「戦場にかける橋」の舞台となった。1945年に日本軍が撤退した後に再びイギリス軍が来たが独立の抵抗運動が起き混乱の中で独立の勇士であったアウンサン・スーチーさんのお父さんが暗殺された。1948年ビルマ連邦としてイギリスから独立した。
経済は発展をしたが政治的には不安定な時代となり1962年から「ビルマ式社会主義」の時代となった。1980年代から軍事政権となり1988年に国名を「ビルマ連邦」から「ミャンマー連邦」とした。
2011年に軍事政権から民政移管が始まり2012年にはアウンサン・スーチー氏の
NLD(国民民主連盟)が選挙で圧勝した。経済も積極的な開放政策をとっている。
農村の状態=ビルマはもともとコメを中心とした農業国で、コメの輸出大国であった。これは社会主義、軍事政権の時代も変わらず農民はコメを作ることを義務付けられ、他の作物を作ることにいろいろな規制を受けていた。
民主化、市場経済となり農家は何を作るか、どこの誰に売るかは各自の判断で出来ることとなった。農家にとっては好機到来・待ってましたとばかりに野菜、果実の栽培を始めた。
売り先は、農家の庭先に来る産地業者、都市の卸売業者等で農家が自分で卸売業者に売りに行くことも出来る。ネックとなるのが輸送である。農家はバイクがあるくらいなので輸送は全部輸送業者に頼むこととなり、農村は道路の整備が悪く輸送のコストがかかる。
ただし、農家が売り先も自分で判断が出来るのでグループを作って共同で販売をすることはしない。また農協はあっても名前だけで業務はせいぜい信用事業だけである。
農家の技術水準も、国はコメ以外の指導は何もしてこず現在もやれないので栽培の基礎的な技術を知らない農家が多い。
一方で自由化は外国が狙っていたことからミャンマーのお隣の中国、タイをはじめ世界各国から果実、野菜が入ってきており卸売市場や小売店を見ると半分以上が外国産である。
このような状態の中で、各国が支援合戦をやりASEANの経済一体化が進むなかでミャンマーの農家の収入をどうしたら増やせるか、アウンサン・スーチー氏の手腕が問われている。
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