第1回 はじめに2018年4月26日
JAcomの新しいコラムとして、酒井惇一東北大学名誉教授に、昭和から今日に至る農業・農村についてのさまざまな思いを「昔の農村・今の世の中」と題してお書きいただくことになりました。毎週木曜日のJAcomに掲載されます。第1回の今回は、このコラムをお書きになれるようになった経緯と簡単な自己紹介を兼ねた「はじめに」です。
◆森島賢さんからの電話
仙台の桜の花も終わってようやく木々に緑が萌えてきた4月半ばのある朝、家内が書斎にいる私に電話だと受話器を持ってきた。「東京農大の森島先生」からだという。でも農大に森島という知り合いはいない。ともかく受話器を受け取ってみたら森島賢さんではないか。東京大学と言ったのを家内が東京農大と聞き違えたのである(東北大を定年退職した後の数年、網走にある東京農大オホーツクキャンパスに私が勤めていたためにそのときの同僚の方だろうと思いこんでしまったようなので家内を責めるわけにはいかないのだが)。
本当にしばらくぶりだった。もう何年お会いしていないだろうか。70歳の退職を契機に私は研究教育や社会活動から一切手を引き、学会にも顔を出さなくなったのだから当然のことなのだが。ただ、農業協同組合新聞で森島さんの名前をときどきお見受けはしており、元気で活躍なさっていることは知っていた。
その新聞のことで電話したと森島さんはいう。そしてこう続ける、農協新聞の電子版JAcomのコラム欄に執筆しないかと。私がこの7~8年書き続けているブログ「随想・東北農業の七十五年」を読んでいるが、そうした内容でいいし、文も短かくていいという。
でも、私には二つも並行して書く能力はない。それで申し訳ないがとお断りさせてもらった。しかし森島さんの説得にとうとう負けてしまった。新聞を読ませてもらってきた義理もある。それで、コラムに書いたものを私のブログでも使うこと(もちろんそのときには引用した旨をブログに注記するが)、私のブログで前に書いたことをコラムで重複して使う場合もあることをお許し願うという条件でお引き受けさせていただくことにした。
◆農協協会に懐かしい顔が
その後、これからの参考にとこれまでのコラムを拝見していたら筆者のなかにもう何十年もお会いしていない佐藤喜作さんの懐かしい名前を発見した。しかも農協協会の会長をなさっているという。知らなかった。ついでに言うと森島さんが副会長を務めておられることも知らなかった。
何しろ私は農業協同組合新聞の不良読者、JAcomの存在も知らなかったのだから当然のことなのだが(私の家内は愛読者であり、家内の入っている読書会などに見せたい記事をコピーして持っていって話題を提供したりしているのにかかわらずである)。やはり私も「引きこもり」から脱却してもっと勉強すべきなのだろうか。といってもそれだけの気力も体力もなくなっているのだが。
◆思いつくままに...
ということで、これから思いつくままに昔の農業・農村の話から今の世の中の頭にくることまで(昔といっても私が農家の長男として生まれた昭和に入ってからの話が、生まれ育ちまた調査研究の主要な対象としてきた東北の話が中心ということになろうが)いろいろと書かせていただく。なにとぞよろしくお願いしたい。
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