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【熊野孝文・米マーケット情報】生産コスト5割下げへ挑戦始まる2018年11月20日

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【(株)米穀新聞社記者・熊野孝文】

 来年からTPP11で決着した豪州米の輸入が始まる。輸入数量は、初年度は6000tで最終的には8400tまで拡大する。来年の実施は5月からで上半期分の枠2000tが加わるため8000tになる。輸入方式は輸入業者と国内の卸がペアを組んで、国に売ったものを卸が買い受けるというこれまでのSBS方式と同じだが、決定的に違う点がある。
 それは既存のSBS10万t枠は国が定めたマークアップをクリアー出来なかった場合は、MA枠に振り向けることが出来たが、新たに別枠として輸入される豪州産米は必ず主食用向けに販売しなければならず、年6回実施される入札で、前半の3回で予定量の90%に達しなかった場合はマークアップを15%引き下げることになっている。
 すでに輸入されている豪州米の販売はどうなっているのかというと、大手外食店で使用されているほか食品スーパーでも販売されている。店頭での販売価格は通常価格が5kg1380円、特売価格が1295円(税別)で、月40tも販売しているところもあるほか、納入業者の中にはディスカウント店での売れ行きナンバーワンは国産ブレンド米であったが豪州米がそれを上回るようになったという。ディスカウント食品スーパーの中にはカートに豪州米を山積みして販売しているところがあり、国産米の最も安いコメより5kg200円安い価格を設定しているところもある。最初になくなるのが豪州米である。購入する人の中には一度に30kgも購入する人もいるとのことで、業務用として購入する外食店の人ではないかと見られている。
 農水省は主食用に流入する豪州米が国産米価格に影響を与えることを"遮断"するため31年産政府備蓄米の買入枠を増やすことにしており、その場合の具体的な内容を今月末にも公表する。30年産では政府備蓄米入札は予定の20万tを7万7000tも下回ったのに31年産で枠を増やしたからと言って応札数量が増えるのかという疑問が第一にあるが、それよりも深刻な問題は、こうしたやり方は本来ある国産米需要を豪州に売り渡しているような制度で、アメリカも同じことを迫って来るに違いない。こうしたことを繰り返していると国内の需要は外国産米にとって代わられることになる。すでに加工原料米の世界ではそうした現象が起きている。国産米は制度と助成金はあるが市場から姿を消すということになりかねず、まさに国産米は神棚に飾ってあるに過ぎない品物になってしまう。
 こうした国産米の神棚化政策とは、まったく正反対の行動を計画している大規模稲作生産者の集まりが先週東北で開催された。この組織はコメを産業化することを最大の目標に掲げており、講師として「コメの生産コスト50%下げる」ことを可能にするべく新会社を立ち上げた人物が登壇した。
 その人物が提案するコメ生産コスト50%削減の具体策は4つの柱からなっている。
 それは(1)増収効果(21%のコストダウン)(2)作付方式の転換(16%のコストダウン)(3)ポストハーベスト作業の外注(8%のコストダウン)(4)栽培管理の短縮(5%のコストダウン)の4つである。増収効果については「現在栽培されている反収540kgの一般的な品種から780kg/10aの高収量品種を生産すると、収量が44%以上増加する。種子代や肥料代そして収穫作業とその後の乾燥などの費用が増収することで約20%多くかかるが、高収量品種によるコスト削減効果が大きい」。
 作付方式の転換については「移植から直播栽培に作付方式を変更することで、育苗・圃場までの苗運び、移植などの作業がなくなる。新たに発生する費用は、空中からの種播き費用のみで、育苗関係機械や温室の削減などで大きなコストダウンになる。苗作りと苗運搬の時間、そして移植の時間は10a当たりの全ての作業に係る時間の30%を占めており、作業時間の短縮も大きい」としている。
 この人物は種子の生産も自ら手掛け、直播で増収するノウハウも有している。なぜ、これまで日本国内の技術でそうしたことが出来なかったのかというと、日本ではコメの増収はタブーであり、直播で収量が得られる品種の研究がなされて来なかったからであり、その結果が反当り収量の生産性が世界で11番目という後進国になってしまったのである。
 先週行われた会議では大規模稲作法人2社がこの種子を購入して、新たな栽培方法にチャレンジすることを即決した。

本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。

(株)米穀新聞社記者・熊野孝文氏のコラム【米マーケット情報】

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