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【鈴木宣弘・食料・農業問題 本質と裏側】個別JAごとの代理店化・准組合員規制の影響比較2019年1月31日

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【鈴木宣弘・東京大学教授】

 当研究室では、平成28年度の全国の各JAのディスクロージャー資料をもとに、
(1)信用事業が代理店化し、共済事業に准組合員規制が導入された場合
(2)信用事業と共済事業の両方に准組合員規制が導入された場合
(3)信用事業が代理店化し、共済事業が現状維持の場合
(4)信用事業に准組合員規制が導入され、共済事業が現状維持の場合
の各JAの事業利益の和をそれぞれ計算し、現状の事業利益と比較した(修士1年の敦澤翔太君による)。なお、事業利益とは、事業総利益から事業管理費を差し引いたものであり、その内容は、信用事業、共済事業、農業関連事業、生活その他事業、営農指導事業の5事業からなる。本試算においては、信用事業と共済事業の事業利益のみが変化するとして、その他の3要素は現状と変化しないと仮定した。代理店化による事業利益の変化については、人件費は減らせないとみなして、試算シートの事例に基づいて、
 代理店化後の信用事業利益 = 信用事業総利益×0.482-事業管理費×0.731
 によって導出した。
 准組合員規制による事業利益の変化については、人件費以外の事業管理費は総利益に比例して変化し、人件費は現状と変化しないとして、
 准組合員規制導入後の信用事業事業利益=准組合員規制導入後の信用事業総利益-(信用事業管理費-信用事業人件費)×准組合員規制導入後の信用事業総利益/准組合員規制導入前の信用事業総利益+信用事業人件費、によって導出した。准組合員規制導入後の共済事業事業利益についても同様に導出した。
 計算方法について、改善すべき点は多く残されているが、とりあえずの結果を見てみると、平成28年度のJAについて、5事業の事業利益の和がマイナスとなっているのは、645JA中6JAであったが、4ケースの試算では、
(1)信用・代理店化、共済・准組合員規制=(527JA中)351JA、
(2)信用・准組合員規制、共済・准組合員規制=94JA、
(3)信用・代理店化、共済・現状維持=350JA、
(4)信用・准組合員規制、共済・現状維持=71JA
がマイナスとなっている (ディスクロージャー資料に事業別収益の詳細についての記載がないJAが118JAあったため、総計が527JAとなっている)。なお、事業利益の合計は、平成28年度のデータによると約1872億円(645JA)だが、(1)は-739億円、(2)は471億円、(3)は-483億円、(4)は770億円であった(527JA)。
一般には、「准組合員規制の打撃が大きいので、これを回避するためには代理店化やむなし」という論調があるが、この試算によれば、実は、准組合員規制を受け入れたほうが、個別JAの経営への影響で見ても、全体としての影響で見ても、はるかに小さい可能性が示唆されることが特筆される。
 また、(1)(3)のケースからわかるように、信用代理店化は、それだけで大半のJAの経営を赤字化するが、そのような多数のJAが赤字の状態で、1県1JAといった広域合併をしても、どれだけ合併効果があり、収益構造が改善できるのか、慎重な検討が必要と思われる。

 

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