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【熊野孝文・米マーケット情報】お弁当・お惣菜大賞の最優秀商品で使われたコメとは?2019年2月19日

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【(株)米穀新聞社記者・熊野孝文】

 先週13日から15日にかけて開催されたスーパーマーケットトレードショー。デリカテッセン・トレードショー、外食FOODTABLE、こだわり食品フェアと同時開催で、海外20カ国を含め2176社が出展、幕張メッセの全ホールを使っての開催となった。
 イベントとの一つとしてデリカテッセン・トレードショーで開催された「お弁当・お惣菜大賞2019」というコーナーがあったので覗いてみた。そこには弁当部門、おにぎり部門、パン部門、惣菜部門など12部門の最優秀賞、優秀賞などの商品が展示されており、しばらく見入ってしまった。
 そこに置いてあった惣菜デリカ最前線という冊子を見てみると、なんとこのコンテストには5万3285件のエントリーがあり、最優秀賞17件、優秀賞・特別賞48件、入選134件が選ばれたと記されており、そのエントリー数からしてこうした惣菜分野のコンテストでは最大級のものだろう。気になったのでこのコンテストで最優秀賞に輝いた商品がどんなコメを使っているのかチェックしてみた。
 かつ丼・カツ重部門で最優秀賞に選ばれた(株)スズキヤの「スズキヤ自家製煮豚かつ丼」は、岩手県産契約栽培米。弁当部門の最優秀賞、有楽調理食品(株)の「国産鱧の山椒蒲焼重」は北海道産をメインにしたブレンド米。同じく弁当部門の最優秀賞、味の浜勝(株)の「おいしい海苔弁当」は山形県産つや姫。丼部門の最優秀賞、デイ・ナイト(株)の「D・Nカレー」はターメリックライス。おにぎり部門の最優秀賞、(株)サンプラザの「土佐の結び」は四万十町産の仁田米。おなじくおにぎり部門の最優秀賞、伊勢物産(株)の「肉ゴロッとおにぎり」は低農薬の会津産コシヒカリとササニシキのブレンド。祭事部門の最優秀賞、(株)ラルズの「甘納豆がぎっしりつまったお赤飯」は北海道産はくちょうもちといった具合で、どの分野の最優秀賞商品でもコメにもこだわっていることが窺えた。
 ただし、審査要件には商品の「販売価格」も重要な要素に入っており、いわゆる高級弁当ではなく、いずれの最優秀賞商品もリーズナブルな価格である。
 こうした惣菜商品の市場規模がどのくらいになっているかというと、日本惣菜協会が毎年とりまとめている惣菜白書によると2017年は10兆555億円で、初めて10兆円超えになった。業態別販売シェアの高いのはコンビニが31.1%、つづいて食品スーパー26.1%。商品別では米飯類が49.5%、一般惣菜が33.9%、調理パンが4.7%で圧倒的に米飯類が多い。惣菜市場イコールコメの市場と言っても過言ではない。市場規模は2015年9兆5813億円→2016年9兆8393億円→2017年10兆555億円と右肩上がりに拡大している。
 ところが農水省が公表した2月のマンスリーリポートに特集として「中食・外食事業者のコメの仕入れ状況に関するアンケート調査結果」が出ているが30年10月~12月の仕入れ数量は前年同期比99.3%になっている。これまでコメの消費量は、家庭用精米は趨勢的に減少が続くが、中食・外食は伸びるという見方がなされていたが、この分野でも急ブレーキがかかったように見える。
 中食・外食業界が使用するコメの数量は年間320万tと推計され、主食用米需要の42%を占め、このうち、中食業界の使用量は165万tで22%に相当する。中食業界団体で組織される国産米使用推進団体協議会は1月の例会で会長挨拶として以下のような内容の文章作成している。
 要点は、(1)コメ需給ミスマッチはいまだに解消されておらず、B銘柄は高騰している。3年連続の米価高騰は低所得者層にも「コメ離れ」を起こした。日本の勤労者の年間所得は平均300万円強であるが、総務省の統計によると低所得者層(200万円)のコメ購入量は前者よりも20%も少ないのはコメからパン、麺類に消費動向が変わったと言える、(2)輸入米はSBSにより10万tと定められているが、中食・外食産業での需要を満たすには不足である。SBS枠を増やせないのであれば現在のMA米制度を見直し安定供給を図るべき、(3)31年度予算で初めて提出された「主食用米を前年比で減反すれば補助金対象」の予算があるが、現在でも財政諮問委員会で「主食用米の供給は需要を満たしていない」と指摘されており、これ以上の減反は5年連続の米価高騰を危惧する-、としている。
 コメの需要分野でもっとも大きな分野からこうした声が上がっていることは留意すべきである。

 

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(株)米穀新聞社記者・熊野孝文氏のコラム【米マーケット情報】

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