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【熊野孝文・米マーケット情報】現物取引から先渡し取引に進化し始めたコメ取引2019年5月14日

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【(株)米穀新聞社記者・熊野孝文】

 日本コメ市場が主催した令和元年の第1回目の取引会が5月9日に東京、大阪、福岡の3会場で開催された。参加者は3会場合計で84卸109名。上場数量(売り希望)は77産地銘柄4334tになっており、前回3月5日に比べ4割ほど上場数量が少なくなっており、前年同期に比べても8%ほど少なくなっている。
 主な産地銘柄の60kg玄米の上場加重平均価格は前回価格に比べ北海道ななつぼしが値下がりしたのに対して新潟コシヒカリが507円も値上がりしている。詳しくは同社がホームページにアップしているのでそちらを見て頂きたいが、実際の取引会では参加者に東京着基準の価格が記された産地銘柄別の売りメニューが提示され、参加者はこのメニューを見て応札して成約するという仕組みである。売りものの件数はもち米や外国産米も含めると602件もある。
 実際に成約したものは、岩手あきたこまち1等1万4700円(東京着、税別)、宮城ひとめぼれ1等1万4950円~1万5050円、宮城つや姫1等1万5450円~1万5500円、秋田あきたこまち1、2等混載1万5300円、2等1万4800円、山形はえぬき1等1万4900円、山形つや姫1、2等混載1万8600円、福島会津コシヒカリ1等1万5350円、福島中通コシヒカリ1等1万4700円~1万4900円、茨城コシヒカリ1等1万4650円、栃木コシヒカリ1等1万4900円、千葉コシヒカリ1等1万4900円、千葉ふさおとめ1等1万4100円、新潟一般コシヒカリ1等1万9500円~2万50円などである。
 コシヒカリでは価格の安いものは2000俵ロットで買われているものもあり、玉薄になっている新潟コシヒカリは別格にしても8月までぐらいの分は確保しておきたいという卸のポジッションが伝わって来る。ここで成約している分は全て現物であり、現物取引の仲介市場ということが出来るが、仲介業者の中には令和元年産米を収穫前に取引するという「先渡し取引」を実行に移そうと計画しているところがある。

 

◇    ◇

 

 それはコメ先物取引所の取引員で、この取引員は当業者(生産者、集荷業者、卸等)に先物取引に参加してもらうべく、早くから自社で現物の取引を仲介するようになった。この取引員に口座を作るとその当業者には現物の売り買いメニューが送られてくる。その売り買いメニューを見ると売り物は、北は北海道のゆめぴりかから南は熊本の森のくまさんまで実に88産地銘柄が出ており、日本コメ市場のメニューよりも多い。この取引員は当業者の口座数が400社を超えるまでになっており、他の商品でこれだけの当業者口座を有しているところは他にない。コメに関心がある証券会社や金融取引会社がこの会社に来てコメの状況の説明を受けると、まず当業者の口座数が多いことに驚く。この取引員は当業者の利便性をさらに高め、さらに一般投資家にもコメに関心を持ってもらうべく、画期的と言うべき3つのプランを持っている。
 1つは令和元年産米から収穫前に新米の取引を行う「先渡し取引」を実施する計画。具体的にはまず千葉県の早場米ふさおとめ、ふさこがねを6月に9月、10月渡し条件で6万俵程度をメニューに載せるべく当業者とネゴしている。当業者の中には買い手として大手量販店も加わっており、この先渡し取引を利用すれば早くから新米セールを立てやすいというメリットもある。
 2つ目は県単位で大規模稲作生産者の組織から売り物を提示してもらうことで、既に内諾を得ている産地もある。大規模生産者としても事前に自社が生産するコメがどのような銘柄であろうとも確実に換金できる市場があれば得る利益は大きい。
 3つ目は一般投資家にコメに関心を持ってもらう方策で、これには小口証券を使う。証券会社の中にはコメのリンク債を発行したところもあるが、このリンク債は清算取引が基本で現物を買うことが出来ない。しかし、小口のリンク債を最低1枚単位(新潟コシヒカリなら25俵、東京コメなら200俵)にまとめ、現受けを大手米卸に委託、卸は現受けしたコメを5kg精米に仕立てリンク債を購入した一般投資家のリンク債と交換するという手法をとれば良い。これで得られるメリットはリンク債を買った一般投資家は転売して清算するか精米として手に入れるか自由に選択できることになり、現物交換を希望すれば100%コメが入手できるので家庭内備蓄していることと同じである。コメ取引をシステムとして考えれば税金を使わなくてもこうしたことが出来るのである。

 

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(株)米穀新聞社記者・熊野孝文氏のコラム【米マーケット情報】

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