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【小松泰信・地方の眼力】バカは投票に行かないんだって2019年6月26日

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【小松泰信・(一社)長野県農協地域開発機構研究所長】

 「令和になりましたが、私は元号を使いません。なぜか? 元号が変わることで、すべてがチャラになっちゃう。戦争は昭和の出来事でもう終わったこと、平成も終わって、令和になったから過去はもう関係ない。そんな国でいいんですか」と、問いかけるのは下重暁子氏(作家)(毎日新聞6月19日付)。当コラムも首相と官房長官のツラがつきまとう故に、元号不使用を決めている。

◆森が泣いている

小松泰信(岡山大学大学院 環境生命科学研究科教授) 「『水』の次は『森』! そこまで民間に売りますか!?」という見出しで、今国会で成立した「改正国有林野管理経営法」を取り上げているのは荻原博子氏(経済ジャーナリスト、「サンデー毎日」6月23日号)。全国の森林面積の3割を占め、これまで国が管理、伐採してきた国有林の一部を、10年から50年の間、伐採できるとする「樹木採取権」を民間業者に与えるとともに、伐採後に植林する義務はなく、いわば「木は切りたい放題」とする、なんとも締まりのない法律。
 2024年以降、多面的機能を遺憾なく発揮している森林を守るための「森林環境税」が、国民1人あたり年1000円、住民税に上乗せされて徴収される。これに対して、「民間業者が森をどんどん伐採していくなら、何のための増税なのでしょうか」と、疑問を呈する。そして「税金を払っても、それで森が守られるのなら文句は言いません。けれど、営利目的の大手企業に次々と伐採され、売り飛ばされていくなら納得はできない」と、怒りを隠さない。考えてみれば、その税金、森を守ることを隠れ蓑にした大企業への補助金そのもの。森を出汁にした大企業優遇策だとすれば、森と国民を愚弄する改悪法そのもの。
 水道の民営化、漁業法改正、日米FTAによる農業の"売り渡し"に加わる国有林問題から、「私たちは、当然のように豊かな森と水と海の『美しい日本』で生きてきましたが、その豊かな自然も、安倍政権下の法改正で、どんどん変質していきそうです」と、憂えて終わる。

 

◆豪雨の土砂を用いた「水田再生プロジェクト」

 変質した自然を旧に復することは容易ではない。しかし、その困難に立ち向かおうとする、地道な取り組みを西日本新聞(6月24日付)が紹介している。
 昨夏の九州豪雨で多くの農地が被災した朝倉市における、災害で発生した土砂を使って、被災した水田で稲を作る「水田再生プロジェクト」である。平野部の549haは土砂を撤去して復旧。しかし9河川の流域部約200haは元の形に戻すことが難しく、水持ちが悪い砂質の土(真砂土)が堆積している。市は平野部で取り除いた粘性の土(粘性土)を表土に、真砂土と粘性土を混ぜた土を水漏れを防ぐための基盤土に活用する考え、地元から提供された実験田に、表土と基盤土の厚さが異なる10aの水田を3区画造成。地元住民でつくる生産組合が管理し、普及センターなどがアドバイスし、肥料などはJAや寄せられた募金から提供するとのこと。23日には、地元住民ら約60人が農地再生への願いを込め、苗を一本一本丁寧に植え付けたそうだ。
 「地域や関係機関の協力なしにはできなかっただけに、感謝の思いでいっぱい。農地再生に向け全力で頑張りたい」と語るのは、市農地改良復旧室長。

 

◆わが物顔のオスプレイ

 信濃毎日新聞(6月22日付)は「オスプレイ目撃 南信で急増 米軍横田基地に配備後」という見出しで、米軍横田基地(東京都)に空軍の輸送機CV22オスプレイが正式配備された2018年10月以降、同機とみられる機体の目撃情報が、長野県南地域で急増していることを伝えている。オスプレイの訓練空域とされる「エリアH(通称・ホテルエリア)」に一部が含まれる市だけではなく、広範囲での目撃情報あり。
 米軍機の監視活動を続けている埼玉県平和委員会によると、横田配備の前後、埼玉県内でもオスプレイの目撃が急増。長野県に近い埼玉県西北部での目撃回数も増えており、横田配備の影響が長野県に及んでいる可能性を同委員会代表理事も指摘する。
 前田哲男氏(軍事評論家)も、日米安保条約、日米地位協定に基づいて米軍機は米軍基地間を移動できるが「拡大解釈して、全国で低空飛行や多様なルートを飛んでいる」と説明し、当該地域での飛行が訓練の一環である可能性を示している。
 さらに石川文洋氏(長野県諏訪市在住の報道写真家)は、「徐々に庶民を慣らすために飛行訓練を続けるだろう。飛行が当たり前と思い始めると危険だ」としたうえで、県内で目撃した時には「長野だけでなく沖縄の基地問題を考えてほしい」、「基地があり、日本の空で訓練させていると、いつか加害者になり得ることを長野県民も意識しなければならない」と、訴えている。

 

◆長野県内世論調査結果と一票を投じる意味

 今朝(26日)の信濃毎日新聞には、同紙が長野県内全77市町村の有権者を対象に23、24日の2日間に行った電話による世論調査の結果を載せている。回答者は809人。注目したのは次の回答結果。
 「重視する政策や課題」(3つ以内)について回答率が3割を超えるのは、「医療・福祉・介護」(56.2%)、「景気・雇用などの経済政策」(44.6%)、「年金」(35.5%)、「教育・子育て・少子化政策」(32.7%)の4選択肢。
 「アベノミクス」への評価は、「評価する」(どちらかといえば、を含む)が45.9%、「評価しない」(同)が51.7%。
 「地方創生は成果を上げているか」については、「上げている」(同)が19.5%、「上げていない」(同)が74.6%。
 「6年間で経済的な暮らしぶりが良くなったと思うか」については、「良くなった」(同)が39.0%、「悪くなった」(同)が51.9%。
 「老後の生活への経済的不安。あるいは現在不安を抱えているか」については、「ない」が23.9%、「ある」が74.9%。
 現政権が胸を張るほどの成果は乏しく、多くの人が「不安」を抱えていることは明らか。しかし、それが政権交代に直結しないことを、43.8%にも及ぶ「安倍内閣支持」層が教えている。
 高村薫氏(作家)はサンデー毎日(7月7日号)において、「私たちは7月に参議院選挙を控えている。この国の民主主義はほとんど空気のようなものだが、とりあえず普通選挙があるだけでも、香港の人びとよりどれほど恵まれていることか。個々人が選挙に行きさえすれば、法治国家の基本ぐらいは守られるし、自由にものを言うこともできる社会は、香港から見れば天国だろう。
 そう思うと、選挙に行かないのはバカである。支持する政党や政治家はなくとも、私たちはたとえば催涙ガスを浴びながら権力と対峙する代わりに一票を投じるのだ。これが選挙に行く一番の理由だと、今日気がついた」として、「香港デモに思う一票を投じる意味」を、開陳している。
 件の世論調査は、「支持政党なし」が41.0%と分厚く存在することも明らかにした。バカでなければ投票へ行くこと。
 「地方の眼力」なめんなよ

 

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小松泰信氏のコラム【地方の眼力】

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