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【坂本進一郎・ムラの角から】第21回 大山鳴動もなければ、鼠一匹もなし2019年9月26日

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【坂本進一郎】

 大山鳴動して鼠一匹ということわざがある。これは大山を動かすほどに大騒ぎしたのにたいしたものも得られなかったという意味である。今度の参議院選挙は大山鳴動どころか安倍首相の空虚な話が舞い降りてきて、肝心の食料自給率が37%に下がったのに、どうするか言ってない。相変わらず車売りに熱心である。それはかつて巨艦の戦艦ヤマトに神経を集中したのに似ている。これでは大山鳴動どころかどこかに大山そのものが吹き飛んだようだ。

 『鼠一匹もなし』は数字にも表れている。全国の投票率はわずか48.80%。これは過去2番目に低い投票率だという。この低さに民主主義は片足運転になり大丈夫かなと思ってしまう。投票率が低いのは棄権者が5422万人もいたかららしい。その一割は自公から離れたものの行き先を失った自公派のようだ。そのたの多数の棄権者も投票先を見つけられなかったのであろう。魅力のない政党に対して政治不信を起こしたともみられる。
 それでも改憲のために必要な国会議員の数が3分の2を下回ったことは、よろこばしい。
 私は選挙のたび、自民党が後退し、野党が前進することを願って投票に出かけた。しかし毎回これは裏切られた。今回も同じだ。なぜ自民党の交代を願うのか。民主党は2010年政権を取った時、戸別所得法を国会で成案化させた。だが自民党政府は農民に何の役にも立たない収入保険制度を今推進している。これは農民にさっぱり優しくない制度だ。こんな自民党は不要だとさえ思う。
 確かに自民党は総得票数ではわずか16.7%に過ぎないのに、議席は46.3%も占めている。お化けの選挙制度のせいである.しかし勝ちは勝ちである。自公政権は今までと変わらない政策をやるであろう(野党のいい政策を盗み取りながら)
 私にとって選挙の時、じばん(地盤)、かんばん(看板)、カバン(鞄)の選挙道具が完璧にそろった候補者が当選するとビクッとする。どうしてビクッとするのか。例えば個人を登場させて申し訳ないが小泉進次郎氏の場合をみよう。彼は自民党農林部会長の職を与えられ、自民党の帝王を学んだようだが彼の片言隻句から推し量るにあくまでも自民党の農政を学んだようだ。彼はまた重宝なキャラクターから世間の芸能人のように吹き抜け装置として利用されたようでもある。

  日本の民主主義はアメリカによって与えられた「天下りの民主主義」である。東京都のような大都市の選挙の多くは「動票」によって動く。地方はここ秋田を見ているとその多くの選挙は地縁、血縁、世襲の「不動票」によって自民党を確固とした存在足らしめている。その反面変化を求めない。私が投票日に期待外れになるのは変化を好まない不動票が投票に行くからである。小泉進次郎氏が余裕をもって当選したと聞いて、選挙区の「不動票」化が行われたのだろうと推量した。とはいえ、秋田では不動票によって自民党の天下を作りながら、その自民党によって軽んじられる地方『不動票』の矛盾がる。
 
 最後にどうしても訴えたいことがある。この10年農協は攻撃を受けてきた。その最後、今や公正取引委員会が農協の独禁法除外は怪しからんと訴えている。農協の独禁法除外は戦後民主主義の柱でもあった。さらに近い将来日本の経済にダメージを受けたとき日本再生の足掛かりになると思う。 全中は独禁法除外の一大運動を起こすべきである。

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坂本進一郎【ムラの角から】

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